足立朝日

初の足立区人・関取誕生! 玉ノ井部屋/富士東十両昇進

掲載:2011年1月5日号
 足立区で生まれ育ち、足立区の部屋に所属する、生粋の足立区人・関取が誕生した。
 1月9日(日)から両国国技館で始まる初場所で新十両昇進が決まったのは、玉ノ井部屋の富士東(23)=本名・渋谷和由(かずよし)。亀田小学校、第九中学校出身で、小学生時代から「わんぱく相撲」で活躍していた「渋谷くん」が、夢に向って大きな一歩を踏み出した。
 5年生で体重が100㎏超えていた渋谷くんは、6年生で全国2位になるなど頭角を現していた。千住スポーツ公園相撲場(千住緑町)で足立区相撲連盟の坂下幸夫監督の指導を受ける傍ら、家が近い玉ノ井部屋に通い練習する日々だった。
 「体が大きかったから、相撲しかない」と、中学2年で角界入りを決意。中学卒業と同時に玉ノ井部屋に入門し、03年春場所で初土俵を踏んだ。09年夏場所、しこ名を本名の「渋谷」から「富士東」に改名。入門から7年8カ月での関取昇進となった。元大関栃東が09年に部屋を継承して以来、初の新十両でもある。
 同門の芳東(33)=本名・石原洋(熊本県出身)も初場所で19場所ぶりに十両復帰し、玉ノ井部屋の関取は2人。
 富士東は12月17日(金)に区役所で行われた報告会に玉ノ井親方(元大関・栃東)、おかみさんとともに出席し、近藤やよい区長からスポーツ振興奨励金を贈られた。区長の「自転車乗れるの?」の問いに、「フツーの自転車に乗れます。すぐ壊れますが」と明るくほがらかに回答。
 「今場所では上がらないと思っていたので、親方から聞いてビックリ。関取になったけど、これからが再出発。幕内に入りたいし、上を目指したい」。得意技は突き、押し、左四つだが、気持ちが弱いところを親方に叱られるという。「足立区生まれ、足立区育ちなので、恥ずかしくないような成績を収めます」と笑顔で抱負を語った。
【富士東和佳】1987年4月19日生まれ。身長180㎝、体重175㎏。

写真/気合い充分の富士東=区役所で