足立朝日

北綾瀬駅ホーム延伸工事始まる 4年後に代々木上原方面への直通運行開始

掲載:2015年3月5日号
 長い間の住民要望が通り、東京メトロ千代田線・北綾瀬駅のホーム延伸、環七反対側出入り口の新設などの工事が、3月末から始まる。
 これが完成すると、現在の北綾瀬―綾瀬の3輌折り返し運転が、通勤・通学時間帯を中心に、代々木上原方面への10輌直通運行となり、住民の利便性が飛躍的に増しそうだ。

◆綾瀬駅方面に約135m延長
 今回の工事は、①輸送力の増強(10輌編成車輌の導入のためのホーム延伸)②環七北側としょうぶ沼公園側の2カ所の出入口の新設――が柱で、3月末着工、平成31年3月に完成予定。
 ホームの延長は、住民の予想とは違って、北側の地下鉄車輌基地方向ではなく、南側の綾瀬駅方向。「北側は車輌基地に向かって下り坂になっていてホーム延長は無理と判断しました」(東京メトロ広報課)。延伸は135mで、現在の屋根とホームドアも延伸されるため「駅の新設とほぼ同じ規模の大規模工事になる」(同)。
 新設の2カ所の出入口は、階段とエレベータの併設。環七北側と駅ホームは橋で直結される。
 現在、ここの環七歩行者信号は、「電車に間に合おうとして、青になる前に渡る人がいて危ない」との声が上がっていただけに、4年後には解決しそうだ。
◆南側店舗は全店立ち退き
 北綾瀬駅のガード下店舗は、綾瀬駅寄り(南側)の一角が工事の施工ヤードとなるため、南側の全店舗がメトロ側の要請により、昨年3月からさみだれ式に移転ないしは休業となり、しょうぶ沼公園商店街理事長の店舗は昨年末に休業、最後に残ったスーパー「ワイズマート北綾瀬店」は、2月24日(火)に休業となった。
 「代替地は斡旋しましたが、どこも条件が合わなかった」(東京メトロ設計課)という。
 ワイズマートをはじめ、半数ほどの店が「また戻ってくる」と話しているが、住民は「不便になった」とぼやいている。
◆10輌編成直通車輌の運行計画は未定
 東京メトロによると、現在北綾瀬―綾瀬間は、3両編成で10分間隔で折り返し運転をしているが、ホーム延伸後は、通勤・通学時間帯を中心に、10輌編成の代々木上原方面の直通運転を増やす。乗降客が減る昼間の時間帯は、3両の折り返しが中心になるという。
 いずれにせよ、北綾瀬駅発の直通電車の出現により、綾瀬駅の混雑緩和につながることは間違いない。というのも、現在は、0番線で降りたお客が1、2番ホームに移動するため、上り電車の後部車輌に集中してラッシュになっているからだ。
◆早くも不動産屋が動く
 2013年度の北綾瀬駅の1日平均の乗降客数は、2万5880人。前年度に比べ2・6%増えた。
 東京メトロでは「4年後に劇的に乗降客数が増えるとは見ていない」(広報課)と言うが、「土地の値上がりを見越して、多数の不動産屋がウロウロしている」(ある商店主)のも事実。実際、北綾瀬駅近くの広い空き地が、最近マンション建設予定地になった。
 「しょうぶ沼公園とその周辺は、自然がしっかり残る場所。便利と引き換えに自然破壊などしないで欲しい」(住民)との声も聞こえてくる。

写真上/現在の北綾瀬駅と改良後の同駅(イメージ)
中1/店舗が移転しガラガラの南側ガード下
中2/この10輌編成車輌が導入される
下/谷中1丁目の広大な空き地はマンション建設予定地