足立朝日

綾瀬地区・駅前開発のいま

掲載:2020年4月5日号
◆綾瀬駅東口駅前
5年も続く空き地状態、住友不動産が区民要求に背

 空き地状態が5年も続くのに、全く動きが見えないのが東京メトロ綾瀬駅東口駅前。
 エトセトラ、サンポップの2ビルの閉鎖、解体は5年前の2015年(平成27年)3月のこと。区民からは、本紙に「駅前を通るたびにどうなっているんだと思う。区は何も説明しないが、このままでは綾瀬はさびれてしまうと不安だ」(梅田8丁目、61歳、女性)「住友不動産のマンション計画で、住友は1、2階に商業施設を入れるとマンションの価値が下がるから嫌なのでしょうね。全く住民の声を聞こうとしない姿勢にあきれる」(足立1丁目、56歳、女性)などの声が寄せられている。
 2ビルがあった約5300㎡(1600坪)の土地は、同年6月に住友不動産に買われ、350戸程度の分譲マンションの建設計画が明らかになり、順調にいけば今春に竣工と思われていた。
 しかし、区民の声をバックにした区側との交渉の中で、住友側は新ビル内の集会施設(バンケット)設置を拒否、さらにビル低層階への商業施設(商店など)の入居にも否定的なまま放置、「駅前のにぎわい創出に徹底して背を向けている」(ある商店主)と言われる状態。
 この間、区は住友側と「ふた月に1回くらいは接触し、住民要望を繰り返し言っている」(エリアデザイン担当)としているが、住友側は「東京オリンピック開催に伴う建設資材の不足で、マンション建設は動かない。計画はそのまま」の一辺倒。
 区民の間からは「もう動いていいはず。区は亀有駅南口の再開発を見習って、周辺の地権者を動かすなどしてほしい」(東綾瀬1丁目、55歳、男性)「区は一貫して弱腰だ。『住民要望を聞かないというのなら、マンション建設計画の承認を取り消す』位のことを言っていいのではないか」(綾瀬5丁目、45歳、男性)などの声が出ている。
◆綾瀬・旧こども家庭支援センター跡地
今後5年は綾瀬小、東綾瀬中の建替え時仮校舎

 この問題は、現在エリアデザイン作成中の綾瀬駅東側にある旧こども家庭支援センター跡地(7380㎡=約2240坪)の利用計画にも波及しそうだ。
 ここは、区民アンケートなどを経て、5年前に区が開発事業者を公募し、11月に住宅・フィットネスクラブ・民間保育園・カフェなどの提案があったが、事業内容に問題があったため、撤回された。その後、この跡地は2024年(令和6年度)まで、老朽化した綾瀬小学校と東綾瀬中学校の建替え用仮校舎として順に使われることに決定。そして2021年度(同3年度)末までにエリアデザイン計画を作成する。
 ある関係者は「バンケット(集会施設)など、この利用計画と駅前開発計画とのすり合わせがますます必要になってきた」と発言している。
◆北綾瀬駅周辺開発
北側出入口は12月、高架下商店街は今冬オープン

 5年前から進められてきた東京メトロ千代田線・北綾瀬駅のホームが延伸され、代々木上原方面への10両直通運行が昨年4月に始まったが、その後の開発計画が約半年ずつ遅れることになった。駅舎と環七をまたぐ陸橋(歩道橋)の建設工事が、技術的問題で半年伸びたことが直接の原因。
 これに伴い、まず今年6月オープン予定だった環七を渡った北側の出入口が12月に完成となり、待たれている高架下店舗(商店街)は今年冬となった。駅ビルの完成と合わせ、すべての改装完了は来年6月となる。なお、駅ビル店舗の開業は、来年秋の予定。
 また、駅に隣接するしょうぶ沼公園の改修工事は、今年の4月末に終了し、5月から供用開始となり、江戸しょうぶの開花に間に合う。
 駅前交通広場の建設は、人や車などの流れの変化を踏まえながら、かなり先になりそうだ。

写真上/駅ホームから駅前の空地を見る
中/こんな空き地のままでいいのか?
下/綾瀬小仮校舎は4月から使用開始。奥に見えるのは近く解体される現校舎