足立朝日

異国の剣士が受審

掲載:2009年5月5日号



上=審査後総合スポーツセンター剣道場で左からアンドレさん、ケラディスラフさん、
小山さん、セイテクさん、シェルボトさん、田山・渕二錬武会理事長。


 4月26日、総合スポーツセンター剣道場で足立区剣道連盟(佐藤清春会長)の1級審査会が行われた。当日は60人が受審したが、その中にキルギス共和国から飛行機を乗り継いで、日本に審査を受けにきた3人の剣士がいた。

 本紙08年9月5日号「異国の地で日本の心息づく」で紹介した、キルギスの首都ビシュケクで剣道習得を目指し、日々研鑽を積む、スペランスキー・ケラディスラフさん(34)とシリチ・アンドレさん(32)、トコンバエフ・シェルボトさん(34)。
 区剣道連盟・渕二錬武会(能重邦利会長)の小山子壽(ちかとし)さん(師範教士7段・83歳)が、4年前に次男の海外赴任先、中央アジアにあるキルギス共和国で剣道を習いたいという人たちがいると聞き、指導に赴いたのが縁。08年6月~7月の1カ月間は独立行政法人・国際交流基金の剣道指導者としても、ビシュケク市で活動する「水月クラブ」で指導と交流をし、その後もビデオや手紙などで指導を重ねてきた。
 日本は2番目の祖国という早稲田大学大学院に留学中のカチキンバエフ
・セイテクさんは、5、6カ国語を操る。以前から一般会員として小山さんのもとで稽古しており、通訳や受審など小山さんと共に準備に奔走した。
 審査は実技と型があるが3人とも見事合格した。
 区剣道連盟の佐藤会長は「連盟でも来日しての受審は初めて。審査会の2日前に稽古を見たが、まっすぐな良い剣道をしていると先生方と話していた。今日は実技もそうだが型の試験も立派だった」と称えた。
 キルギスで剣道連盟会長を務めるケラディスラフさんは、「初めての経験で、日本がどういうふうに組織されているのか見せていただけた。今回、審査を受けるチャンスが出来てうれしい。小山先生、セイテクさん、足立区剣道連盟のみなさんに感謝したい。次につなげたい」と、喜びと感謝の気持ちを話した。
 現在会員は50人ほどで、今年6月には連盟発足5周年を迎える。

写真上=実技を審査中のアンドレさん(右)
写真右=型の審査を受けるケラディスラフさんとシェルボトさん