足立朝日

掲載:2020年10月5日号
①「なんとかせい! 島岡御大の置き手紙」丸山清光著/文藝春秋企画出版部刊(1800円+税)
 「明大の島岡御大」と聞いてピンとくる人は、野球通である。そう、六大学野球の明大野球部を、昭和27年~同63年まで率いて、平成元年に77歳で死去した島岡吉郎氏である。
 著者の丸山清光氏(67)は、島岡氏と同じ長野県生まれで、明大に入り、野球部に所属して島岡監督の下で六大学リーグに優勝3回、主将・エースとして活躍した1975年(昭和50年)には、江川卓擁する法政を破って春秋連覇した強者だ。
 本書は数々の島岡氏の「島岡語録」を、同氏の「10の置き手紙」としてまとめたもの。野球部の4年間を多摩・府中市にある明大野球部の合宿所「島岡寮」で過ごし、同氏の「秘蔵っ子」として、口癖である「なんとかせい!」という「叱咤激励の言葉」を何度もかけられた人だけに、そばにいた人間にしかわからない島岡氏にまつわるエピソードや「銘言」が満載。
 丸山氏は、明大卒業後は朝日新聞社で働き、その後関連会社社長を歴任。「島岡御大の語録は、IT全盛の今でも生きている。野球の世界ばかりではなく、現代社会にも活用できる」と最後の「返信」でそのエキスを披歴する。読後に「うーん」と唸ってしまう楽しい一冊だ。
②「空想クラブ」逸木裕/株式会社KADOKAWA/1600円+税
 足立区在住「第36回横溝正史ミステリ大賞」受賞作家である逸木は、物語に登場する老若男女の心の機微を行間に立ち上がらせるオーソリティである。
 同書の主人公は中学生。「ぼく」は、「行きたい」と思う場所や「見たい」と思うものを空想することで、実際にそれらを見ることができる力を祖父から伝授される。ぼくは、真夜・涼子・隼人・圭一郎と「空想クラブ」を発足。
 ある日、真夜が川で水浴死したことを知ったぼくは、葬儀場で涼子から「去年、もうなくなってたのに。嘘なんだよ」という不可解な言葉を聞く。「真夜に会いたい」と願うぼくは、河原で幽霊となった真夜を発見し、彼女が子どもを救うために亡くなったことを知る。「子どもの安否が判らなければ、河原を出ることができない」と訴える真夜を開放するため、ぼくは仲間と共に死の真相を突き止め、涼子の謎の言葉の意味も知ることになるが……。
 5人が手を繋ぎ「空想する」シーンでは、大迫力の展開を体感できる。特にラスト16ページの「奇跡」は、圧巻の筆致で読者に迫る。淡い恋心、友情etc.この年代ならではの折り重なる心模様の描写が、熱く胸を打つ。中学生たちが、それぞれの事情を抱えながら、亡くなった友人のために奔走する逸木渾身の青春ミステリだ。若者たちの心情を表す逸木の比喩の美しさ、緻密な構成が絶品で、著者が込めた深い想いに触れる喜びを味わうことができる。
掲載:2020年9月5日号
 この「コロナ禍」で、どのお店も売り上げが落ち苦戦しているが、ネットによって自宅に花を届ける「花の定期便」や故郷の父母らに花を贈る「ふるさと定期便」を開設し、外出や里帰りがままならない消費者に喜ばれ、新展開により自らも活路を見出した花屋が千住にある。
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掲載:2020年9月5日号
 梅田~関原~本木~扇を東西につなぐ計画道路「補助136号線」の工事が着々と進んでいる。今回は「関原・本木周辺」をお散歩してみよう。
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掲載:2020年9月5日号
 この秋、ギャラクシティまるちたいけんドーム(プラネタリウム)に、幻想的な火星が出現する!  (さらに…)
掲載:2020年9月5日号
 生活に関する特許取得12件を誇る五反野在住の主婦発明家が、手を汚さず簡単に犬のふんを片づけられるグッズを発明、すでに通販でも販売を始め話題になっている。 (さらに…)
掲載:2020年9月5日号
 仕事を辞めて認知症の父を介護――にと聞くと、孤独でつらい苦労話をイメージする。だが大変な日々の合間には、散歩中に感じる季節の変化、買い物ついでの喫茶店、なにげない交流など、自分の時間と大切に向き合うことで気付くこともある。 (さらに…)
掲載:2020年9月5日号
 区が「みんなに伝えたい! おすすめしたい!」というお店や一品を区民から募集し、区内の輝いているお店を紹介する「あだちの輝くお店セレクション」。その第4回のテーマが「テイクアウトできる飲食店」に決まった。 (さらに…)
掲載:2020年9月5日号
 8月28日(金)、足立区商店街振興組合連合会の理事会が、千住仲町1丁目にある商振連会館で開かれ、第5代理事長に北千住サンロード商店街理事長の山﨑健氏(72)を選出した。また、新たに7人の副理事長も選任され、新執行部体制がスタートした。 (さらに…)
掲載:2020年9月5日号
 「コロナ禍により、外出自粛が続いた今こそ高齢者の見守りが必要だ」という思いから、「梅田東町自治会見守会」が、このほどいち早く活動を再開し、街の人たちに喜ばれている。
 この活動は、まず7月1日(水)に午後3時から約1時間半行われた。梅田二丁目児童遊園を出発し、同自治会エリア(梅田二丁目、足立四丁目)を5班にわかれて、70歳以上の独居宅40世帯を訪問し、様子を伺った。
 参加したのは、自治会役員10人、地域包括支援センター職員、ふれあいポリス(西新井警察署地域課)、区職員の13人。
 通常の訪問時には、絆創膏などの物品を配付するが、今回は、感染症対策の一環として自治会が手配したマスクも5枚ずつ一緒に配付。 
 この見守り活動は区の「わがまちの孤立ゼロプロジェクト」の一つで、区内91団体が登録し様々な活動を展開している。そのうち、2団体が定期的に高齢者の巡回パトロールを実施、「見守会」はそのうちの一自治会。昨年12月に結成され、同月の1回目の見守り活動後、3月は中止、6月は延期となり、今回の見守り活動は12月以来となった。
掲載:2020年9月5日号
 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の委託研究で開発された犯罪予測アプリの活用実証実験に、全国の自治体で初めて足立区が参加する。
 これは、実験用アプリでAIを活用した犯罪予測を行い、予測に基づいて選定されたパトロールコースを、区の青色防犯パトロールカー(青パト)で巡回して、その経過と結果をみようというもの。
 区では「犯罪発生の可能性が高いと予測された場所を、手厚く効果的にパトロールすることにより、犯罪発生の抑止が期待できる」としている。
 足立区では、令和元年の刑法犯認知件数が4764件(前年比減466件)と「戦後最少」を記録し、ピークであった平成13年から1万件以上減少しているが、区としては、更なる減少に向けて各種防犯対策に取り組んでいる。
 現在、区内では委託事業者により昼間帯2台、夜間帯4台の青パトで巡回パトロールを行っている。
 実証実験は、区内全域を対象に、8月17日(月) ~11月30日(月)に行われる。
 具体的には、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)から委託された会社が開発中のアプリを、区委託警備会社の青パト乗務員の携帯電話にインストールして使用。
 アプリには、警察から公開されている犯罪発生情報が蓄積され、アプリの地図上に犯罪発生件数などを表示。
 パトロール出発前にアプリを起動して、通りたい地点とパトロールの距離を設定すると、最も犯罪発生確率が高いルートが策定される。
【問合せ】TEL3880・5491危機管理部犯罪抑止担当課