掲載:2007年11月5日号
シアター1010開館以来、もっとも「区民還元」に相応しい「子どもたちの観劇体験」が、芸術鑑賞事業として、昨年に引き続き区教委主催で行われる。作品は、ミュージカル「坊っちゃん!」。
文豪・夏目漱石生誕140周年記念として、ジェームス三木脚本・演出により、劇団わらび座が制作したこの作品は、愛媛県東温市の「坊っちゃん劇場」での公演を終え、現在、全国巡業中。そして11月10日(土)、老若男女の期待を担って、遂に千住にやってくる!
(さらに…)
Posted in コラム, シアター1010ストーリー
掲載:2007年10月20日号
「俳優は役を『演じる』のではなく、『たったひとつの人生を生きて』ほしい。イプセンの作り出した人間を、そこに生きている人間として『存在』させてほしい」
11月1日(木)からシアター1010、ミニシアターで上演される「野鴨」(イプセン原作)のプロデューサー・笹部博司のこの要求は、俳優にとって、斬新かつ最も人間への理解力を要するものだ。
(さらに…)
Posted in コラム, シアター1010ストーリー
掲載:2007年10月5日号
「歌舞伎座の3階の一番奥のお客様にも声が届かなければいけない」という父の信念を受け継ぎ、朗々とした深い声を、シアター1010の舞台に響かせる息子。父とは、故・三波晴夫であり、息子「三波豊和」が、この10月に同劇場で「スガナレル」を初主演する。
フランスを代表する喜劇作家モリエールの作品の、脚本・演出を是枝正彦が担当。かつて「キモサベポン太」名で、笑いの舞台を賑わせていた時代を記憶の読者も多いだろう。今作品でも、芸名でゴルジビュス役を演じ、それを自らが演じる最後の舞台と決め、今後は脚本・演出に専念するという。
(さらに…)
Posted in コラム, シアター1010ストーリー
掲載:2007年9月20日号
市井の人々の生活を、コミカルかつハートフルに描く人情喜劇の大御所・水谷龍二の作品が、シアター1010に再登場する。昨年の「星屑の町・東京砂漠篇」以来の水谷作品第2弾。今回は、菅原大吉と竹内都子夫妻が演じる二人芝居「満月」。二人のために、水谷が書き下ろした力作だ。 菅原は「星屑の町」初演からレギュラー出演し、水谷作品にはなくてはならない深い持ち味の名優。竹内は、お笑い界のアイドル「ピンクの電話」のあの「みやちゃん」だが、元来は大阪芸大で演技演出を学んだ舞台女優。二人の出会いは、お互いが所属していた「劇団七曜日」。松竹の名マネジャーだった石井光三と、故レオナルド熊らが旗揚げしたセンセーショナルな劇団の第一期生だ。当時から現在まで、二十数年間一緒の二人は、あうんの呼吸で「満月」に臨む。同作品は、昨年各地で初演の際、多くの観客のハートをとらえ、早くも再演が決定。
(さらに…)
Posted in コラム, シアター1010ストーリー
掲載:2007年9月20日号
市井の人々の生活を、コミカルかつハートフルに描く人情喜劇の大御所・水谷龍二の作品が、シアター1010に再登場する。昨年の「星屑の町・東京砂漠篇」以来の水谷作品第2弾。今回は、菅原大吉と竹内都子夫妻が演じる二人芝居「満月」。二人のために、水谷が書き下ろした力作だ。 菅原は「星屑の町」初演からレギュラー出演し、水谷作品にはなくてはならない深い持ち味の名優。竹内は、お笑い界のアイドル「ピンクの電話」のあの「みやちゃん」だが、元来は大阪芸大で演技演出を学んだ舞台女優。二人の出会いは、お互いが所属していた「劇団七曜日」。松竹の名マネジャーだった石井光三と、故レオナルド熊らが旗揚げしたセンセーショナルな劇団の第一期生だ。当時から現在まで、二十数年間一緒の二人は、あうんの呼吸で「満月」に臨む。同作品は、昨年各地で初演の際、多くの観客のハートをとらえ、早くも再演が決定。
(さらに…)
Posted in コラム, シアター1010ストーリー
掲載:2007年9月5日号
一昨年、シアター1010で「TOGI+BAO全国ツアー」ファイナルコンサートを行い、オールスタンディングの嵐を巻き起こした東儀秀樹が、再び同劇場に登場!
今回は、昨年3月に東京国立博物館で初上演された「鳳凰伝説」を、さらに深めて再上演する。共演は、ダンス界のカリスマ・舘形比呂一。語りは三田和代と宮川安利。演出・振付は「K・バレエ・カンパニー」(熊川哲也主宰)、「キング・リア」(田中泯、東儀秀樹出演)などで斬新な舞台を創造し、その手腕が注目される上田遥。音楽は東儀始め、世界に名を馳せるベーシスト、サウンドデザイナーの坂出雅海という豪華な顔ぶれ。雅楽師としての東儀と、コンテンポラリーダンスの舘形との共演に驚く読者もいるだろうが、ダンスもまた雅楽の「天空地」を表現するひとつの方法。雅楽を通じて培った東儀の揺るぎない軸が、あらゆる世界と見事に融合する。
(さらに…)
Posted in コラム, シアター1010ストーリー
掲載:2007年8月20日号
昭和の活気溢れる30年代に、一世を風靡した「江利チエミ」「美空ひばり」「雪村いづみ」の「3人娘」。特にチエミにスポットを当てた「江利チエミ物語~テネシー・ワルツ」(原作=藤原佑好「江利チエミ物語~テネシー・ワルツが聴こえる」)が誕生し、観客に大きな感動を与え続けてきた。この9月、シアター1010でも待望の上演が決定し、心待ちされる。
チエミの父親は、三味線漫談の柳家三亀松の相三味線やピアノを務め、母親は「東京歌劇」出身の女優。父の失職や母の病気で、わずか13歳のチエミの肩に、一家の生活が掛かることに。戦後の復興期に、米軍キャンプ回りを通じてジャズを習得したチエミは27年、念願の曲「テネシー・ワルツ」により、14歳にしてレコードデビュー。34年には、高倉健とゴールインし、歌手としても女優としても充実していたが、46年、チエミの身内の横領事件が元で離婚。数億の借金を抱えながらも自力で返済し、57年2月、45歳という若さでこの世を去った。
(さらに…)
Posted in コラム, シアター1010ストーリー
掲載:2007年8月5日号
江戸糸あやつり人形370年の歴史を継承する「結城座」の三代目・結城一糸。自由な発想から03年に設立した「アセファル」を通じ、もう一度古典を見直してみたいと考え、兄である田中純(元十一代結城孫三郎)と共同で「江戸糸あやつり人形座」を立ち上げた。永い歴史の中で、新たに人形と人形遣いの関係を探求しようという姿勢が、今回のシアター1010ミニシアター公演「星の王子さま」(原作=アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ、脚本・演出=大久保昌一良)への挑戦にうかがえる。
(さらに…)
Posted in コラム, シアター1010ストーリー
掲載:2007年7月5日号
チラシには艶やかな女性3人と、粋な男性8人の写真が輝く。でも、よくみると、全員が男性というユニークさ。そう、8月24日(金)~26日(日)、「シアター1010」で松竹特別公演「PETERVS池畑慎之介」の上演が決定。ホロリとする芝居と華やかなショー、全体で約3時間の豪華な舞台だ。
前半は、長谷川伸の名作「一本刀土俵入り」(潤色・演出=金子良次)。取手の旅籠・我孫子屋の酌婦お蔦を池畑慎之介、朋友の酌婦を新派の英(はなぶさ)太郎が演じ、女形の競演が既に巷では話題となっている。お蔦が情けをかける力士・駒形茂兵衛に勝野洋。茂兵衛を喧嘩に巻き込む無法者の船戸の弥八に新田純一。お蔦が子を宿した相手・船印彫師の辰三郎に国広富之。お蔦と茂兵衛が出会ってから10年後、ふたりは再会する。
(さらに…)
Posted in コラム, シアター1010ストーリー
掲載:2007年6月5日号
「輝かしい命を持った13歳の少女が、自らの手でその命を絶った。誰もがその事件の当事者である」
このショッキングなコンセプトを基に、この11月1艘の船が1カ月間の航海に出る。船名は「野鴨」。海は「シアター1010ミニシアター」。そして、目的地は「人間の心の深淵」。蜷川幸雄演出の「身毒丸」「グリークス」を大ヒットさせたあの名プロデューサー・笹部博司が、ある日、精神科医であるタニノクロウ(庭劇団・ペニノ)演出の小さな舞台を観たことから、抑えようのない心の高ぶりを経験。自ら上演台本を手掛けた「野鴨」(原作=ヘンリック・イプセン)の演出をタニノに任せ、イプセンの世界を彷徨わせたいとひらめいた。
(さらに…)
Posted in コラム, シアター1010ストーリー