足立朝日

全国初の試みも 区とURが子育て・高齢者支援で連携 ハートアイランド新田、大谷田一丁目団地がモデル地区

掲載:2010年9月5日号
 足立区とUR都市機構が「子育て支援・高齢者支援に関する確認書」を取り交わし、8月19日(木)、近藤やよい区長、大西誠・UR都市機構東京都心支社長、根岸尚・同東日本支社長の署名をもって、締結された。
 足立区は、相次ぐ大型集合住宅の開発により若年層の転入が増加。それに伴う保育需要が増加する一方、既存の団地では高齢化が進み、高齢者世帯増加などの課題を抱えている。
 賃貸住宅を「住み続けられる支援をする時代」として、都市の福祉拠点に位置づけ活用を図るURと区が連携し、新たな子育て支援策、高齢者支援策を展開する。
 子育て支援のモデル地区は、ハートアイランド新田。大型開発が進む新田1~3丁目では、平成16~22年度の世帯数増加が63%、人口増加が57%で、6327世帯、1万4086人が住む。認証保育所・家庭福祉員など全て定員いっぱいで、4月1日現在の待機児童数は29人(区全体436人)。また、地区内に幼稚園がなく、区外に通園する子どもが205人にのぼる。
 支援策は、周辺幼稚園にバスで送迎する預かり保育の「送迎ステーション」の開設(平成23年4月予定)、UR初の試みとなる「キッズルームアドバイザー」の常駐、保育ママ(家庭福祉員)によるグループ保育のための部屋を4戸貸し出すなど。UR入居者だけでなく、地域の子育てを区とURが協働でサポートする。
 高齢者支援のモデル地区は大谷田一丁目団地。同団地では4月現在、高齢化率25・1%で、高齢者世帯数は420世帯。
 支援策として、団地の空き店舗を利用して相談ステーションを開設。日中は相談サービス員が常駐、夜間は緊急連絡サービスなどで24時間365日対応のサービスを区が始める(12月予定)。また、URが配置する生活支援アドバイザー(平成23年4月以降)が高齢者の相談相手となり、区のサービスと連携を図っていく予定。
 区とURは、今後区全域で更なる連携を検討していくとしている。

写真=確認書を交わした近藤区長と大西東京都心支社長。
根岸東日本支社長は欠席=区役所特別応接室で