足立朝日

9月20日(月・祝)は老人の日 100歳以上のお年寄りは元気いっぱい

掲載:2010年9月5日号
 今年の敬老の日は、9月20日(月・祝)。最近は高齢者所在問題などが何かと世間を騒がせているが、それはごく一部。区内には元気な100歳以上のお年寄りが、数多く元気に暮らしている。
 介護付有料老人ホーム・足立やわらぎ苑(山端由紀子施設長/宮城1丁目)の、おやつの時間。レクルームに入居者が集まってくると、ヘルパーさんたちとの明るい話し声が弾ける。
 36床全て個室で、ヘルパーと看護士が連携して、職員全員で入居者をサポート。認知症の人にも極力薬を使わず、入院も最小限にするなど、本人の意思や環境を大切にした親身の介護を行っている。
 最高齢は太田金吾さん104歳。常に腕時計を身につけ、ひざ掛けなどファッションへのこだわりは、現役時代の生活スタイルを想像させる。「レクルームに来て話すのが何よりの楽しみ。あと5年位大丈夫」と、大きな声で昔話を語る姿は元気そのもの。
 101歳の秋本たみさんは、金賞を何度ももらったという裁縫の腕を生かして、布で花などを作っている。「目が良く見えないけど、手の勘で」というが、出来栄えは見事。食べるのが楽しみで、コーヒーも大好き。
 同じく101歳の佐野千代さんは、骨折して一時期入院していたが、山端(やまはた)施設長の判断で早めに退院。戻った直後はぼんやりとしていて周りを心配させたが、見る見る以前の元気さを取り戻した。習字が得意で、アメリカに住むお孫さんへの手紙の宛名も、ローマ字で書くほど達者だ。
 河村郁子さんは100歳。透析が必要な以外は、耳も良く、杖なしで歩けるなど足も健康で、とても100歳とは思えないほど。月に1、2度、キャップ1杯の梅酒をたしなみ、焼肉やステーキが大好きという。入居してから始めた手芸で、人形の洋服などを作っている。「本当にいいところで幸せ。人と人のめぐり合わせがいい」と微笑みながら話す口調は若々しい。
 85歳トリオの今井万夜子(まさこ)さん、三浦キエコさん、廣井喜代さんも、年に数回の旅行や外出を楽しみ、「ヘルパーさんたちも明るいし、入居のみんなもいい方で楽しい!」と声を揃える。
 山端施設長は「心と体は別ものではない。もうだめだと言われた人が、元気に生活している。そんな時は、私たちのやり方は間違っていないんだなと思う」と目を細める。
 毎日好きなことをやり、その人らしく生き生きと生活する。本人も幸せでそれが長生きにも繋がるとしたら、それこそまさに理想に違いない。

写真=前列は河村さん、後列左から秋本さん、佐野さん、太田さん=足立やわらぎ苑で