足立朝日

VOL.98ジョアンナ 安寿ミラ

掲載:2010年10月5日号
究極のプラトニックラブを体験

 女性心理にぴったりと寄り添う心ときめく作品が、この10月にシアター1010に登場する。作品名「ジョアンナ」。
 14世紀のヨーロッパで絶大な権力を誇り、バチカンの教皇さえも幽閉してしまう無謀なフランス王は、テンプル騎士団の莫大な財産を狙い、各国の騎士をパリへ連行。隊長の娘であるジョアンナ(安寿ミラ)も罠にはまる。逃げ延びたジョアンナは、女性であることを隠して生きるが……。共演・葛山信吾。
 脚本・演出は、新神戸オリエンタル劇場芸術監督、玉造小劇店座長、劇作家、演出家、俳優等々、様々な顔を持つ「わかぎゑふ」。シアター1010で昨年、大阪の人情喜劇「お代わり」を上演し、観客の心を温めた。
 そのわかぎが「清潔感と知性を併せ持つジョアンナ役にぴったり」と評するのが「安寿ミラ」だ。宝塚歌劇団花組男役トップスターとして「ベルサイユのバラ」で美貌の「オスカル」役を演じ、ファンを狂喜させた伝説の宝塚OG。シアター1010の舞台は「ハムレット」での姿が記憶に新しい。安寿は今回ジョアンナを演じるにあたり、「時代の権力とキリスト教の混沌とした内政、才能がありながら女であることのカオスの中で、1日だけの教皇になっていくジョアンナの心情が上手く出せればと思っています。葛山信吾さんとは初共演なので楽しみです」と語る。
 わかぎの「ジョアンナ」に懸ける思いには共感。「『ジョアンナ』はちょっと変わったサクセスストーリーです。今回は、登場人物の台詞の中に自分の人生を重ねて、『自分だったら?』と人生を考えることができる、文化力アップの秋にふさわしい作品をお届けします。劇中、ジョアンナは究極のプラトニックラブも体験します。多くの女性は口には出しませんが、実質的な恋愛よりも上質な恋は、相手と心をピッタリと合わせられることだと感じているのではないでしょうか? ジョアンアは、そんな全女性の心の奥もくすぐります」
 上演日=10月20日(水)~23日(土・祝)料金=S席7500円、A席5500円、学生席3500円、フレンズ会員10%引。チケットTEL5244・1011。