足立朝日

VOL.102蝶々さん 島田 歌穂

掲載:2011年2月5日号
真の「蝶々さん」の姿を1010で

2007年にシアター1010で初演を迎えたオリジナル・ミュージカル「蝶々さん」が、この3月に再び同劇場へ舞い降りる。
 プッチーニのオペラ「マダム・バタフライ」で見られる東洋人への誤解や偏見を払拭すべく、長崎県出身の脚本家/作家の市川森一が、膨大な資料を基に武士道を骨格とした原作(講談社刊)を書き下ろした。それを基にした朗読劇が、舞台に先立ち上演され、初めてお蝶の真の姿が浮き彫りにされた。お蝶は武士の娘であり、最期までそうあり続けようとした強い意志が招いた結末が、あまりにも悲しい。
 そのお蝶を舞台で演じるのは、豊かな声量と確かな演技力で常に観客を魅了する島田歌穂。大ヒットミュージカル「レ・ミゼラブル」初演のエポニーヌ役で一躍脚光を浴び、その後も演劇・音楽の分野で幅広く活躍し、現在に至る。最近では、「ゾロ ザ・ミュージカル」のイネス役で情熱的なジプシーを演じ、大評判となった。あらゆるジャンルの役を軽々とこなすその実力は、敬服に値する。
 今回、「蝶々さん」再演にあたり、島田は語る。
 「このミュージカルの原点である、市川森一さん脚本による朗読劇『蝶々さん』により近く、よりシンプルに、お客様に自由に感じていただける部分を大切にしました。素敵な新曲もあります!」
 島田のパートナーは、ピアニスト/作・編曲家/プロデューサーとして名高い島健。今回も、音楽監督として采配を揮(ふる)う。そのドラマチックな音楽に乗せて、歌い演じる島田の姿が伸び伸びとして美しい。
 「温かな足立区の皆様にスタートを見守っていただいたこの作品。再びまた思い出深いシアター1010にて上演させていただける事に感謝しております。再演にあたり、よりよい作品に! と、今、手直しをしながら大切に稽古をしています。新たな『蝶々さん』の始まり、どうかまた温かく見守って下さい。心からお待ち申し上げております!」と高揚感溢れる島田。共演は、初演と同じく剣幸(コレル婦人)、戸井勝海(アービン宣教師)、そして新たに海宝直人(書生・木原君)他が加わる。
◆上演日時=3月4日(金)午後7時、5日(土)6日(日)午後2時 ◆料金=一般7000円、シアター1010フレンズ会員6000円
◆チケットTEL5244・1011(シアター1010)