足立朝日

Vol.111SHINGEN~風林火山落日~ 和泉元彌

掲載:2011年11月5日号
殺陣・槍舞・狂言満載のシェイクスピア

 戦国シェイクスピア其の2「ハムレット」より「SHINGEN」風林火山落日……演目を見るからに壮大なこの舞台は、WAKI‐GUMI代表の脇太平(脚本・演出)が、実在の武将をモデルにシェイクスピア劇を戦国時代に置き換え、「ダイナミックな槍舞」「華麗な舞」「迫力の殺陣」を織り交ぜて創り上げた。この勇壮な作品がシアター1010に登場する。
 武田勝頼(ハムレット)を演じる和泉元彌は、「『ハムレット』を下敷きに、信玄亡き後の武田家滅亡を描くという大胆な舞台。演者全員が、本格的な殺陣に汗と涙を流しながら、毎日筋肉痛と闘っています。名高達男さん、稔幸さん、堤大二郎さん、竜小太郎さん始め個性豊かな出演陣が、殺陣・舞踊・槍舞・狂言と、日本の芸能文化を余すところなく盛り込んだ和製エンターテインメントは、全てが見所です!」。
 和泉が「楽をしている出演者がひとりもいない」というこの舞台。大ベテランの名高は、槍を手に獅子奮迅の大立ち回り。元宝塚星組トップの稔は、女性の所作事に真摯に取り組み……それら先輩たちの舞台に臨む姿勢に触れ、和泉は「勉強の日々」と語る。狂言では和泉が指導を務めるが、「殺陣では共演者に支えられ、ひとつの家族のようになれる現場が大好き」と言う。
 芸能の原点と言われ、伝統芸能で唯一の純粋喜劇である狂言を1歳半から修行し、舞台に立ち続けている和泉は、和泉流二十代目宗家。奇しくも、今回演じる勝頼もまた、武田家二十代当主。この感慨深い縁に、「私が演らずに誰が演る! という心境で努力精進を重ねて、最高の舞台を皆様にお届けしたい!」と意気込む。
 足立朝日読者・足立区民へ以下のメッセージ。「狂言師・和泉元彌が『生か死か……』の名台詞を、どんな場面でどのように発するか、お楽しみに! テレビで観る和泉元彌とは、一味も二味も違う私を用意して、皆様をお待ちします。ハンカチをお忘れなく!」
【上演日時】11月25日(金)午後6時半、26日(土)午後2時・午後6時半、27日(日)正午・午後4時半。
【料金】A席7000円、B席5800円、フレンズ会員10%引。【チケット】TEL5244・1011。