足立朝日

開放的なキャンパスで地域との連携強めます 1月11日(水)竣工式の東京電機大学古田勝久学長

掲載:2012年1月5日号
 「足立区民の皆さん、どうぞよろしく」――。北千住駅東口のJT(日本たばこ)跡地に建設中だった東京電機大学東京千住キャンパスが完成し、1月11日(水)に竣工式が行われる。神田錦町にあるキャンパス(未来科学部、工学部、工学部第二部、大学院等)は、3カ月かけて順次移転、4月には教職員を含めて約5500人が、足立区で学び、働くことになる。平成24年の足立区の幕開けは、このビッグニュースからスタート。そこで、同大の古田勝久学長にインタビューした。(聞き手は、足立朝日編集長)

朝日 まず、足立区に来られるに当たっての抱負をお聞かせください。
学長 この地域を大切にして、大学をますます発展させていきたいと思っています。本学の基本的スタンスは「技術で社会に貢献できる人材を育成する」というものですが、同時に地域との連携を強めていきたいと思います。いよいよ4月からは、約5000人の若い学生が通い始めるのですから、その若い学生の教育に、ぜひ、地域の皆様の協力をいただきたいと思っております。
 同時に、大学は人が集まってくる場所で、会社の方、研究を一緒にやろうという方、外国の方もやってきます。そのことを温かく見守っていただき、かつ有効活用していただいて、千住や足立区が発展する方向に行けばいいと思っています。
朝日 東京未来大学、東京芸術大学、帝京科学大学と続き、今度は貴大学が北千住駅東口のランドマークのようにそびえ立って、正に文教地区のようになってきました。
学長 設計を著名な槇(まき)文彦先生にお願いしたのですが、そのコンセプトが「学ぶもの、研究にいそしむもの、訪れるものに〝歓び〟を与える場所を作り出す」ということになっています。ぜひ街の方にもお集まりいただければと思っています。
朝日 地元では5、6月に何か歓迎イベントも考えているようです。ところで、大学の真ん中を商店街と結ぶ通りが走り、塀もなくて、街の人が校舎を見ながら歩くという本当にオープンスペースの大学になるんですね。学長 そうなんです。これも全く新しい試みになりますね。大学と区民の方が一体になる形です。朝日 貴大学は、区内企業とすでに何回も見学会をやったり、セミナーを開いたりと、連携を進めているようですが、今後の区内企業との連携の方向性、目指しているものをお話ください。
学長 本学には、産官学交流センターという組織があって、すでに実績をあげています。足立区の企業さんは技術をお持ちの会社が多いようですから、今後は「こんな商品にしたらいいのではないか」という提案を本学の先生方からさせていただくとか、協力により新しい形の企業が生まれてくるのではないでしょうか。と同時に、先生方が物を作ったりする時に、足立区の企業さんに材料とか製作のご協力をいただきたいと思います。その協力の中で、また何か新しいものが出てくるかも知れませんし……。
朝日 今後のスケジュールですが――。
学長 竣工式後から移転が始まり3月31日までには終り、新学期からは千住でスタートします。入学試験は2月に神田で、3月の卒業式、4月2日の入学式は日本武道館で行います。その後、4月3日から新入生の本格的なガイダンス等が始まります。「東京電機大学が来て良かった」と言って頂けるようになりたいと思います。
古田勝久学長略歴
 東京都生まれ、72歳。1962年東京工業大学理工学部卒業、同大大学院理工学研究科博士課程修了、助手、助教授を経て1982年~2000年教授。2000年~東京電機大学教授、2008年学長となり、現在に至る。

写真上/「大いに地域との連携を強めていきたい」と話す古田学長
下/マルイ屋上からの千住キャンパス全景