西新井栄町在住
地球と太陽の関係からオーロラを予報
昨年9月、国際宇宙ステーションからオーロラがテレビ中継され、光り輝く龍のような神秘的な姿が多くの人を魅了した。
その映像に一役買っていたのが、上出さんの「オーロラ予報」だ。出現の1時間ほど前に、ほぼ正確に予報する。
研究者によるオーロラ予報は世界唯一という。パソコンを使い、人工衛星による太陽風などのデータから、ブレークアップ(オーロラ爆発)の兆候を読み取る。取材中も「そろそろ出るはず」という言葉通り、パソコン画面のカナダ・イエローナイフの全天映像に、白い光の渦が出現。刻々と変化する夜空の羽衣に、「キリがない。何時間も見ちゃう」。温和な顔が、子どものように無邪気に輝く。
北海道生まれ。専門は宇宙空間物理学。アラスカ大学、米国立宇宙環境研究所などを経て、名古屋大学太陽地球環境研究所教授・所長に就任。先人たちを悩ませてきたノート数頁もの方程式を解き、地磁気と太陽風の関係を解明。英国王立天文学士院のメダルを受賞した。
初めてオーロラを見たのは、アラスカ大学就職初日。「空の一点に穴が開いて破れるように光の束が吹き出し、空全体に広がった。全身にパルスが走った」。ブレークアップだった。その後、500回はオーロラを見たが、同じものは一つとしてない。
「オーロラなんて何の役に立つんだと思われるかもしれないけれど…
…」。出現の条件である大気と地場は、人間が生きていくのに不可欠だ。「オーロラがあるということは、地球で人間が生きていける証でもあるんです」
誰が見ても感動できる美しさは、教材にも最適という。「日本は資源のない国だから、理科を好きになってもらいたい。理科ほどやさしいものはない。ただ感じればいいんです。オーロラをすごいと思えば100点。理科がやさしくて面白いことを教えたい」
その思いは、プラネタリウム上映作品の監修にも込められる。「子どもに刺激を与えるイベントは大事。自分が刺激を与えられて良かったので」。最新作は『オーロラを見た恐竜たち』。地球と太陽の関係を楽しく学べる内容だ。「ギャラクシティで上映してもらえれば」。足立区に移り住んで1年半。宇宙天気予報の世界的権威が地上に注ぐ眼差しは、常に気さくで温かい。
地球と太陽の関係からオーロラを予報

その映像に一役買っていたのが、上出さんの「オーロラ予報」だ。出現の1時間ほど前に、ほぼ正確に予報する。
研究者によるオーロラ予報は世界唯一という。パソコンを使い、人工衛星による太陽風などのデータから、ブレークアップ(オーロラ爆発)の兆候を読み取る。取材中も「そろそろ出るはず」という言葉通り、パソコン画面のカナダ・イエローナイフの全天映像に、白い光の渦が出現。刻々と変化する夜空の羽衣に、「キリがない。何時間も見ちゃう」。温和な顔が、子どものように無邪気に輝く。
北海道生まれ。専門は宇宙空間物理学。アラスカ大学、米国立宇宙環境研究所などを経て、名古屋大学太陽地球環境研究所教授・所長に就任。先人たちを悩ませてきたノート数頁もの方程式を解き、地磁気と太陽風の関係を解明。英国王立天文学士院のメダルを受賞した。
初めてオーロラを見たのは、アラスカ大学就職初日。「空の一点に穴が開いて破れるように光の束が吹き出し、空全体に広がった。全身にパルスが走った」。ブレークアップだった。その後、500回はオーロラを見たが、同じものは一つとしてない。
「オーロラなんて何の役に立つんだと思われるかもしれないけれど…
…」。出現の条件である大気と地場は、人間が生きていくのに不可欠だ。「オーロラがあるということは、地球で人間が生きていける証でもあるんです」
誰が見ても感動できる美しさは、教材にも最適という。「日本は資源のない国だから、理科を好きになってもらいたい。理科ほどやさしいものはない。ただ感じればいいんです。オーロラをすごいと思えば100点。理科がやさしくて面白いことを教えたい」
その思いは、プラネタリウム上映作品の監修にも込められる。「子どもに刺激を与えるイベントは大事。自分が刺激を与えられて良かったので」。最新作は『オーロラを見た恐竜たち』。地球と太陽の関係を楽しく学べる内容だ。「ギャラクシティで上映してもらえれば」。足立区に移り住んで1年半。宇宙天気予報の世界的権威が地上に注ぐ眼差しは、常に気さくで温かい。