足立朝日

Vol.113菊次郎とさき

掲載:2012年1月5日号
陣内 孝則
『菊次郎とさき』お披露目公演


 足立区の宝・ビートたけしが愛情を込めて両親を描いた小説「菊次郎とさき」がドラマ化され、テレビ朝日で放送されてから11年目。遂にブラウン管を飛び出して舞台化され、足立区制80周年の節目に、シアター1010でお披露目される。 
 ドラマ版キャストと同じく、菊次郎役は陣内孝則、さき役は室井滋。脚本・輿水泰弘、演出・石橋冠。舞台を飾る俳優陣にもドラマメンバーが加わり、陣内は「奇跡的!」と喜ぶ。舞台化については、シアター1010の故・市川森一前館長時代にテレビ朝日を通じて話があり、今回、東宝からのオファーで実現にこぎつけた。「良い供養になれば」と陣内は言う。
 ドラマで誰もが知るように、足立区民ではない陣内が、なぜここまで「足立気質」全開で菊次郎に成り切れるのかは、陣内の生い立ちに関連する。福岡県大川市出身の陣内の実家は、木工所を経営。家具職人の息子として育った陣内は、「両親ともに『菊次郎とさき』そのまま。テレビドラマが放送された時、妹から『お兄ちゃん、お父さんとそっくりになってきたね』と言われた」と周囲を笑わせる。「勿論、たけしさんから聞いた話や、原作・脚本からインスピレーションを感じて、自分なりに菊次郎を消化しているつもりだけれど、そもそも2人が似ているので。例えば判子の指輪! 純金ではなくて14金。僕もおやじからもらいましたもの」と、笑いはピーク。「菊次郎さんのいない所でクリスマスを祝おうとしたら、突然帰って来てケーキを踏み潰したそうです。でも、ケーキの止め金が足に刺さって、血染めのクリスマス!」と、テレビ化されていないエピソードも披露。北野家を語る陣内の瞳は、まさにその一員であるかのように愛情に満ち溢れている。
 「この舞台をご覧いただき、泣いて笑って、何か大切なものを思い出していただけたらうれしい。『足立区民のために』出来たような舞台! 東京スカイツリーも完成間近で、これからは下町の時代。足立区はますます繁栄します!」と、陣内から区民にPRとエール。
【公演日時】3月24日(土)25日(日)午後2時開演【料金】7500円。◆足立区制80周年区民特別料金(サンキュー80周年)=3980円(2階席のみ)【チケット】TEL5244・1011。