足立朝日

生の演奏に触れる機会を 希望の苑でアウトリーチコンサート

掲載:2012年2月5日号
 知的障害者のための福祉施設・希望の苑(竹の塚7丁目/運営=社会福祉法人あだちの里)で1月6日(金)、アウトリーチコンサート(ORC)が開かれ、利用者など約100人が集まった。
 ORCは区生涯学習振興公社が10年以上前から行っているもので、高齢者施設での出前寄席や小学校での演奏など、30回以上の実績がある。
 区には900人を収容できる西新井文化ホールがあるが、同公社によると利用者は延べ10万人程。来られない、来たことのない層が圧倒的に多いことから、出前で生の公演に触れてもらおうと企画している。高齢者にとっては気分転換や生活の張りにもなり、潜在能力アップにも繋がると期待されている。
 出演者が足立区に縁があるのも特徴。今回は区内在住のソプラノ歌手・大前恵子さんと、演奏家仲間でアコーディオン奏者の伊藤浩子さん(パリ在住)、ジャズ演奏家の野中英士さん(コントラバス)が、童謡や洋楽、ジブリメドレーなど10曲以上を演奏。参加者は一緒に手拍子や合唱をするなど楽しんだ。
 宮崎智昭施設長は「笑顔が絶えず、みんな演奏に入り込んでいた」と満足げ。大前さんは「福祉施設での演奏が大好き。生き生きとした笑顔が楽しかった。自分の気持ちを引き出してくれる」と語った。

写真/演奏家と参加者が一緒に音楽を楽しんだ=希望の苑で