足立朝日

バングラディシュで起業 足立区の大学生税所さん シチズン賞を受賞

掲載:2012年3月5日号
 昨年の足立朝日5月5日号1面で紹介した、バングラディシュで起業した足立区出身の大学生、税所篤快(さいしょあつよし)さん(22)が、2011年度シチズン・オブ・ザ・イヤー(シチズン賞)を受賞した。
 今年で22回目となる同賞は、市民に感動を与え、市民社会の発展や幸せ・魅力作りに貢献した市民を顕彰するもので、シチズンホールディングス㈱(本社=西東京市)が1990年から主催している。
 昨年1年間に発行された日刊紙の記事の中から26人(団体)をノミネートし、1月6日の選考委員会で3人の受賞者が決定した。
 税所さんは、竹の塚生まれ、保木間小、六月中、両国高校出身。早稲田大学進学後に渡航したバングラディシュで、富裕層と貧しい農村部の大きな教育格差を目の当たりにし、インターネットとパソコンを使って塾の一流講師の授業映像を学ぶ「e-Education」プロジェクトを設立。4人が最高峰のダッカ大学など難関の大学に合格する「奇跡」を起こした。
 昨年4月には、詳細を綴った自著『前へ!前へ!前へ!』(㈱木楽舎刊/税込み1365円)を発刊。現在はワタミ㈱と同社会長の渡邉美樹氏の支援を受けて設立した「DDGソーシャルビジネス」で、バングラディシュ最年少社長としてプロジェクトを五大陸に広げようと奮闘している。
《表彰理由》
 何か迷い続けているように思える若者が多い中で、常識にとらわれずに前に進む圧倒的な行動力は素晴らしい。1年目から結果を出した活動は、日本の若者たちへも大きな夢と希望を与えている。
《税所さんの話》
 当初、「最貧国の村で映像を使った授業などできるわけないだろう」と言われた。そんな中、ひたすらに可能性を信じて一緒に進んでくれたプロジェクトのパートナーのダッカ大学のマヒン君。そして現地で奇跡と呼ばれるダッカ大学に合格を果たした高校生のみんなを代表して、今回の賞をいただきたいと思う。今年はアフリカのルワンダで「二大陸」目の挑戦をします。

写真/シチズン賞を受賞した税所さん