足立朝日

「昭和の家で楽しむお花見会」開催 西保木間2丁目の平田邸を開放

掲載:2012年4月5日号
 白い築地塀(ついじべい)に洋館の応接間、書院造の和室、家を貫く中廊下――。昭和14年に建てられた洋館付の和風住宅を地域の人に見てもらい、その洋館をギャラリーとして開放するイベント「昭和の家で楽しむお花見会」が、4月1日(日)、西保木間2丁目の平田茂さん(61)宅で開催された。
 平田さんのお宅は、プレス工場を経営する祖父・源七さんが昭和14年に建てた住居で、約200坪(660㎡)の敷地に、約80坪(264㎡)の平屋の建物。庭には、大きなしだれ桜があり、毎年すばらしい花を咲かせる。
 この家は、3代にわたり住まれて来たが、平田さんは、昨年の東日本大震災を機に、人との絆(きずな)、つながりの重要さを痛感。また、区のセミナーなどで自分の住居の一部を開放して地域とつながる「住み開き」という考え方を学んだこともあって、奥さんの宇理(うい)さんとも話し合い、「この家を地域の交流の場として活用しよう」と決意。特に洋館をギャラリーとして貸し出すことに決め、今回の催しを準備した。
 平田さんが参加した「足立地域デビュー大学」で呼びかけたところ、NPO団体を支援する団体の「あだちいもづる会」が全面的にバックアップ、梅島にある手作り作品の会「アトリエ ほ・ほっと」が、洋館ギャラリーの初の利用者になって作品を飾り、協力してくれることになった。
 今回のイベントは、平田さんが、昨秋仲間と結成した「ツモロウ会(集う会、tomorrou会)が主催。約40人の参加者は、まず、安藤義雄足立史談会名誉会長の「あだちの古民家とその魅力」と題した記念講演に聴き入った。講演後、桜を囲みながら談笑したり、中廊下に座ってお茶を飲みながら話し合うなどすっかりくつろいだ様子。
 平田さん夫妻は、「今後、洋館はギャラリーとして開放し、この家全体を使った交流イベントは、年に4、5回開きたい」と語った。

写真/古民家の魅力を語る安藤義雄氏=平田邸で