足立朝日

新たな千住名物 ねぎまうどん・雑煮 足立市場内 「たけうち」

掲載:2012年4月5日号
 千住の新たな名物「ねぎま鍋」をアレンジした、ねぎまうどん・そば・雑煮が誕生。足立市場(千住橋戸町)の食堂棟にある「たけうち」の新メニューとして、2月からお目見えした。
 「ねぎま」というと焼き鳥を思い浮かべてしまうが、「ネギ」と「マグロ」のこと。江戸時代に、それまで漬けに不向きなため捨てられていたトロをネギと組み合わせた「ねぎま鍋」が、庶民の食べ物として定着した。トロが高級食材となった今では、一部の老舗に残っているのみで知られていない。
 千住はネギを専門に扱う市場があり「千住葱」が有名なことから、足立市場が一昨年の魚まつりで、メカジキのハラスを使った「千住魚河岸ねぎま鍋」として復活させ、来場者に提供し話題を呼んだ。
 更にそれを発展させたいとの依頼を受けて、「たけうち」店主の竹内静男さん(65)が奮闘し、メニューを生み出した。
 うどんとそばの完成までは、試行錯誤の連続だったという。一番難しかったのが、メカジキの生臭さを取ること。塩と生姜の量、厚さ、アクの抜き時間などを工夫し、臭みをギリギリまで抑えて旨みを残した味に辿り着いた。
 ツユにも苦労した。「雑煮は塩味なので、最初から上手くいった。うどんとそばは、ダシを作るのを諦めようと思ったほど、何回も作って捨てた」と竹内さん。たけうちは通常、関東の味付けだが、「関西風じゃないと合わない」。
 そうして出来上がったのが、薄口しょうゆのさっぱりとしたつゆに、ネギ、小松菜、ミツバ、のりが乗って、ゆずがさわやかに香る一品。今ではリピーターもいるとか。
 「ねぎまうどん」「ねぎまそば」550円、「ねぎま雑煮」400円。市場内の食堂棟と加工品を販売している関連棟は誰でも利用できるので、ぜひ一度食べに行ってみて。
【メモ=たけうち】TEL3879・2817。営業時間は午前5時半~午後1時、日祝・水曜(不定)休み(市場の閉場日)。

写真/関西風でさっぱりした「ねぎまそば」