足立朝日

NPO法人地域の芽生え21 「心柱」ストラップなど新たな支援

掲載:2012年4月5日号
 NPO法人「地域の芽生え21」(桑原里保理事長)=足立4丁目=が、様々な形の被災地支援を続けている。
 普段は資源回収などで集めた資金で、青少年のためのスポーツイベント、指導者派遣などの活動をしている。昨年の東日本大震災直後、不用自転車を回収して、事務局の桑原裕介さんが直接被災地に送り届ける支援を行った。その後、月3~4回ボランティアツアーバスの運行を続け、これまでに区内外から延べ約1400人が参加した。
 10月には、宮城県石巻市や岩沼市で津波被害を受けた家屋の廃材を使った木札のストラップ「心柱(ここばしら)」を考案。労働意欲と雇用再生のきっかけになればと、被災者に内職で焼印や紐を通す作業をしてもらっている。販売価格は500円で、うち150円が運送費など、350円が被災者の内職代として被災者に支払われる。「みんなでお茶をしながら作ってもらって、5つ作ると灯油が1缶購入できるようにした」と桑原さん。
 五色桜組曲の大久保美智子さん(2面参照)が、アメリカのお客さんに心柱をお礼に渡したいと600個の製作を依頼。墨田工業高校の教員の技術協力もあり、表には「絆」の文字、桜と富士山のイラスト、裏には英語で世界の人たちへの感謝のメッセージが焼印された限定ストラップが出来上がった。
 他の形の支援も、次々に打ち出している。3月には、大久保さんの仲介で日本花の会から提供を受けた桜の苗木を、復興の「元年桜」として被災地で植樹。5月には、被災地行政や市民団体、全国の災害ボランティアとの協働による「花未来プロジェクト」が始動する。
 その一環として、多くの児童が避難途中に津波の犠牲になった大川小学校周辺を、ひまわり畑にする。財団法人から大量にひまわりの種の提供があったことに加え、大川小を守っている人たちからの「花でいっぱいにして欲しい」という強い要望があった。また、仙台空港上空から花文字が見えるように、田んぼに種を巻く計画も進んでいる。「忘れていないよ、というメッセージを現地の人に伝え続けたい」と桑原さん。今後は、ボランティア活動を通して得た実践的な防災知識をマンガにし、全国の防災に役立てる企画も進めていく。
【連絡先】TEL080・4582・1660

写真上/心柱ストラップ。左の2つは通常バージョン、右の2つはカーネギーホール限定
下/桑原裕介さん