足立朝日

「ああ、お化け煙突!」

掲載:2012年5月5日号
撮影=片岡昭博さん(67)=千住緑町2丁目在住

 写真は、千住桜木2‐2‐1に建つ帝京科学大学の学舎横にある「お化け煙突モニュメント」。隅田川沿い、尾竹橋にほど近い場所だ。河岸はきれいに整備され、昼などは、学生たちが楽しげに憩っている。一般区民も入れる場所だ。
 「あれから30年」の綾小路きみまろ風に言えば、「あれから48年」。「お化け煙突」は、大正15年(1926)~昭和38年(1963)操業され、約40年親しまれて、翌年11月に解体された千住火力発電所の煙突のこと。この煙突は4本だが、菱形に配置されていたことで、見る場所によって1~4本に見えたためこの名が付いた。
 建っていた場所は、大学近くの千住桜木1‐13‐2。解体された後、煙突の一部が輪切りにされ、区立元宿小学校のすべり台として残されていたが、それが、元宿小跡地に建てられた現在の帝京科学大のあるこの地に移されたというわけだ。撮影した片岡さんは、当時文具商を営み、よくこの煙突のあった千住火力発電所に出入りしていたという。「煙突の輪切りがここにあると聞いて来てみましたが、懐かしかったです」と片岡さん。
【交通】北千住駅西口3番から「駒込病院前」行きで「千住桜木」下車、3分。4番「西新井大師」行きか「西新井駅西口」行きで、「千住桜木」下車、1分など。
(選者・学芸員 小林基治=日本写真会同人)