足立朝日

Vol.123蛇腹ライフ 小松亮太

掲載:2012年11月5日号
故郷でのクリスマス・スペシャル

 世界のバンドネオン奏者・小松亮太が、この12月、3年ぶりに故郷の千住へ。シアター1010でクリスマス・スペシャル『蛇腹ライフ』を公演する。
 第1部は、TBS「THE世界遺産」のために作曲した『風の詩』や、テレビ朝日「スーパーJチャンネル」のために弾いた『スターネオン』、フジテレビのアニメ「モノノ怪」の主題歌『下弦の月』など、今まで小松が手掛け、誰もが必ずどこかで耳にしたであろう曲のオンパレード。今年発売したベストアルバム『ジャバラライフ』から小松オリジナルナンバーをメインに演奏する。同アルバムについて、小松は楽しげに話す。「日本人としてバンドネオンを弾いている小松亮太ならではのオリジナリティを表現するアルバムです。バンドネオンの音が、こんなにテレビや映画の中で聴かれている国は、実は日本だけで、タンゴの本場アルゼンチンでも全く考えられません。最近もアニメ映画『グスコーブドリの伝記』(声の出演=小栗旬ほか)のサウンドトラックをすべて僕の作曲で担当しました」
 第2部は、13人の演奏家が登場。「超本格派のアルゼンチンタンゴで攻めます! 僕のオルケスタ(タンゴオーケストラ)はアルゼンチンでも高い評価を受け、9年前にブエノスアイレスでやったライヴ映像は、今でも現地で放送されています。『ラ・クンパルシータ』から『リベルタンゴ』まで、本場の中級のプレイヤーは軽く凌駕するメンバーばかり。バンドネオン4人を含む超豪華大編成です」と小松。来年のデビュー15周年を控え、大きな企画を練っているという。
 「世界の小松」も千住のおじちゃん・おばちゃんにとっては「亮太ちゃん」。小松は懐かしげに話す。「千住に帰ってくるたびに、商店街の活気に圧倒されますね。特に昔の風情を生かしながら、新しい世代のお客さんを開拓している飲食店の雰囲気が本当にいいと思います。昔とは変わって『寂しい』という気持ちよりは『頼もしい』という気持ちが勝(まさ)りますね。本当はもう一度北千住に住んでみたいんです」。やはり小松の原点は、千住にあるようだ。
【公演日時】12月15日(土)午後6時、16日(日)午後2時開演【料金】6千円。フレンズ会員10%引【チケット】TEL5244・1011。