足立朝日

Vol.124小松政夫VSコロッケ

掲載:2012年12月5日号
 昨年、満席のシアター1010で観客を笑いの渦に巻き込んだ爆笑舞台「小松政夫VSコロッケ」。日本を代表するコメディアン・小松と、モノマネの帝王・コロッケとの対決は、観る者全てを幸せな気持ちにさせた。そのシリーズ第4弾が、新春に再び同劇場で上演される。タイトルは「これでいいのかニッポン!?」。今の日本の政治・経済・文化・スポーツ、さらには日常の出来事まで、ふたりの怒りが爆発! しかし、会場は爆笑の連続というギャップがまた愉快だ。喜劇人協会会長である小松は、自身の芸への神髄について語る。
 「コメディアンと言われる人は、芝居、歌舞伎の所作など何でもできないとダメだと昔は言われていました。なりふり構わず舞台を走り回り、汗水流して最後にホロッとさせる。これが喜劇人であり、コメディアンであると考え、家族が安心して楽しめる喜劇をお見せしたいと常に心に留めています」。確かにテレビ番組で洪水のごとく流される現在の「笑い」は、ワンパターンで無理な笑いのオンパレード。ましてや、思わずホロッとする場面など皆無に等しい。
 小松がこの世界に入ってから忘れられない出来事は、お世話になったクレイジーキャッツのメンバーが、6人も亡くなってしまったこと。奏でる音楽も笑いも一流だったメンバーを知る小松にとって、寂寥感は癒えない。
 相方のコロッケについて、「『努力の人』。コロッケさんは常に物事を進歩的に考えています。何か発見しても、また何か新しいことはできないかと常に考えているところから、努力し続けている人だと思っております。またそのネタのセンスは最高です」。共通の笑いへの「価値観」を持つ相方に恵まれた小松の静かな喜びが、浮き彫りにされる「コロッケ像」である。
 今回の舞台の見所は、「ふたりだけでやる」というところ。「年齢差がどう噛み合うのか、私自身も楽しみです。昨年は、大勢の方にお越しいただき、ありがとうございました。今年はもうワンランクアップしたふたりの笑いをお届けしますので、是非、皆さんで会場へお越しください」と小松。新春初笑いは同劇場で!
【日時】1月9日(水)15時半、11日(金)・13日(日)正午・15時半、12日(土)・14日(月祝)14時【料金】7千円【チケット】陛5244・1011