足立朝日

巳年の2013年 大願成就を

掲載:2013年1月5日号
 年が明けて、今年は巳(へび)年。蛇は、狙った獲物は逃さないことから「執念深い」と言われる。巳年は、「今年こそは……」という思いを遂げるのにふさわしい年。そこで、へびにまつわる行事や、願かけにつながる新年のイベントをピックアップしてみた。

400年続く魔除けの大蛇/じんがんなわは1月14日(月・祝)
 足立区には毎年正月に、ワラで作った魔除けの大蛇を祀る「じんがんなわ」という行事がある。
 行われているのは西保木間2‐14‐5にある大乗院で、創建は1272年(文永9)。じんがんなわは400年以上前から続いているもので、足立区の指定民俗文化財に指定されている。
 当日の朝、地域の人たちが直径3~4㎝のワラの束の先端を編んだものを、「大門じんがんなわ保存会」(須賀稔夫会長)の人たちがさらに大きな束へと編みこみ、長さ5~6mの大蛇を作り上げる。難しい頭は熟練のお年寄りが、力の必要な胴は若い人が担当する。
 完成したヘビは、本尊の薬師如来の前で住職が祈った後で、境内のイチョウの枝に這うようにかけられて、1年間木の上から地域を守る。前年のヘビは祭りの前にはずして境内で燃やされ、その炭で新しいヘビに目と鼻を入れることで、魂が受け継がれていくという。
 じんがんなわの由来は、古い言い伝えが残っている。薬師如来のまつられていた薬師堂に棲んでいた白ヘビが、お堂の火事でいなくなってから、村で疫病や飢饉が続いた。薬師如来の使いのヘビがいなくなったからだと考えた村人が、ワラで作ったヘビを木に祀ったところ、厄災が止まったという。この話は、「足立の昔がたり」にも載っている。
 現在は成人の日に行われている。今年は14日(月・祝)午前9時半頃から。

◆新年のイベントアラカルト

①1月15日(火)、16日(水)千住・勝専寺(赤門寺)の「えんま開き」
 千住で最も古いお寺(1260年草創)で、山門の色から「赤門寺」の名で親しまれている浄土宗の古刹。
 山門左横の建物が有名なえんま堂。堂内に赤顔赤服のえんま大王の坐像(区登録文化財)がいる。1月と7月の15、16日が「開帳日」で、朝9時過ぎ~夜8時頃まで、お線香を上げてのお参りが続く。山門から旧日光街道にかけて、多数の露天が並んで賑やかだ。
【メモ】勝専寺 TEL3881・2358


②1月19日(土)~20日(日)頃の夕方「ダイヤモンド富士」が見ごろ
 富士山頂に日が沈む時にちょうどダイヤモンドが光るかのように見える「ダイヤモンド富士」が、今年も天気が良ければ、足立区では1月19日(土)~20日(日)夕方に見られそうだ。「ダイヤモンド富士」は、天気が晴れていて、夕方日没時に富士山に雲がかからないなどの気象条件が必要。足立区では1月と11月の2回見られるが、足立朝日にこれまでに寄せられた情報によると、都市農業公園付近の荒川堤防、都立舎人公園の高台(ゆうひの広場)、舎人・聖一の橋などが絶好のビューポイントになっている。また、日暮里・舎人ライナーの足立小台駅~江北駅間の建物がない場所の電車内からも見ることができる。
 例年大勢のカメラマンが集まる都市農業公園付近の荒川堤防では、1月19日(土)、20日(日)の午後4時30分頃見られそう。ただし、混むのでお早めに。


③1月21日(月)「初大師」
 毎月21日の「大師の日」に境内が縁日となる西新井大師は、1月は「初大師」。境内と周辺に200軒以上の露店が出て、さらに賑やかに。普段は朝9時から夕方5時まで1時間おきに行う厄除けの「ごま祈願」は、この日は午前7時からの祈願が加わる。

写真上/2004年のじんがんなわ=大乗院で
①/赤門寺のイラスト(イラストレーター・上野啓太氏作)。上野氏は、「あだちマーチング委員会」(事務局TEL3880・6446)が毎年製作・販売している「足立ひとまち百景」カレンダーのイラストを描き、このイラストも「千住篇」のトップページを飾っている
②/矢島さんが都市農業付近の荒川堤防からとらえたダイヤモンド富士=2010年1月22日