足立朝日

「今年こそ……」

掲載:2013年1月5日号
撮影=今井里子さん=花畑4丁目在住

 「地元の神社ですから、初詣や11月のお酉様には必ず行きます。子どもの七五三もここでやりましたしね」――こう話す今井さんの地元の神社は、花畑7丁目にある大鷲神社。
 ここ大鷲神社は都市化した区内の中で、古来からの神社形態を残した唯一の神社ではなかろうか。一の鳥居、二の鳥居、三の鳥居と続く長い参道の両側には、数百年を経た古木がうっそうと繁る。
 参道を抜けると、立派な本殿にたどりつく。階段を上がり、右へ行くと、手水舎がある。ご承知のように参拝者が身を浄めるために手水を使う施設のことで、ちょうど女性が口すすぎの水をとろうとしていた。
 この大鷲神社は、奥州、東北と縁がある神社だ。平安時代、笛の名人・源義光が、奥州遠征の戦勝祈願をした縁がある。東日本大震災の惨禍から、2年になんなんとするのに、いまだに復興の光さえ見えない東北地方。今年も、多くの人がわが事のように「奥州復興」を祈願することだろう。
 今井さん「私もまた祈りを捧げに行きます」。
【メモ】 同神社は、TEL3883・2908
【交通】竹ノ塚駅東口、綾瀬駅西口から東武バス「花畑団地」行きで終点下車、徒歩15分。駐車場30台。
(選者・学芸員 小林基治=日本写真会同人)