足立朝日

Vol.125春風亭小朝 独演会

掲載:2013年1月5日号
小朝ワールドで初笑い

 ファン待望の春風亭小朝が、遂にシアター1010登場!
 5代目春風亭柳朝に入門した十代の小朝は、昼間は高校生、夕方からは落語家という2足の草鞋。持ち前のセンスと実力で、10年後には36人抜きで真打昇進という快挙を成し遂げ、世間をアッと言わせた。さらに、文化庁芸術祭優秀賞・芸術選奨新人賞を受賞し、その存在をこの世に知らしめた。「横丁の若様」をキャッチフレーズにしたソフトでいなせな姿と語り口は、あっと言う間に落語ファンを虜に。
 テレビのバラエティー、ドラマ、CM、映画、CD制作、著作と、活躍の場を広げつつ、落語会初・日本武道館での超満員独演会、これまた落語会初の座長公演『恋や恋浮かれ死神』(旧新宿コマ劇場)を行い、大好評を博した。クラシック音楽・ジャズにも造詣が深く、その才能は止まることを知らない。
 テレビ全盛時代に於いて、落語界の活性化と落語の普及を目指し、笑福亭鶴瓶、林家正蔵、春風亭昇太、立川志の輔、柳家花緑らと落語ユニット「六人の会」を結成。その一環として、落語界始まって以来の大イベント『大銀座落語祭』をプロデュース。毎回、東西の落語家・色物・お笑い芸人が、所属団体・一門を超えて出演し、銀座の街に新たな文化を花開かせた。これにより、若者たちを採り込み、現在の落語ブームに貢献。その名プロデューサー振りは、世間を唸らせた。
 これまでの公演の中でも、特に歌舞伎座三夜連続独演会、全て異なる演目で臨んだ銀座博品館劇場30日間連続独演会は圧巻! さらに、新橋演舞場、京都南座など大劇場での公演を多数企画し、いずれも成功を収めている。現在も落語の将来を見据えながら、落語会を精力的にこなしている。今後の動きがとても楽しみである。これら輝かしい実績と溢れる才能の源は、やはり小朝独自の「感性」の豊かさ。ちょっぴり毒舌が見え隠れするのは、慕った立川談志の影響かもしれない。談志もまた、「傷つきやすい自分」を理解する小朝に心を許し、多くの喜怒哀楽をぶつけている。貴重な文化人が次々と逝去した現在、小朝が担うものも大きい。【上演日時】2月1日(金)午後6時半開演【料金】3500円、フレンズ会員10%引【チケット】TEL5244・1011