足立朝日

高次脳機能障害サポーター育成研修 NPO法人足立さくら会

掲載:2013年5月5日号
 高次脳機能障害は、病気や事故で脳神経がダメージを受けたことで、突然起こる障害。
 症状は失語症、記憶障害、集中力の低下、怒りっぽくなるなど性格の変化など個人差がある。本人や医師も気付かないことがあるため、苦しんでいる家族も多いが、根気良く訓練することで改善する。
 そんな訓練の場でもある拠点「ピア・さくら」(一ツ家3‐2‐16、TEL5856・5724)を運営する高次脳機能障害者支援のNPO法人足立さくら会(渕脇美佐子理事長)が、サポーター育成研修を1~2月に実施した。地域住民のボランティア育成は先駆的という。
 3月3日(日)に終了式が同所で開かれ、介護保険や障害者の事業所勤務の人など、12人の研修参加者が出席した。修了証書授与の前に実習の反省会も行われ、「気がつくとゆっくり話していなかった」「研修でダメだと言われたことをやってしまったり、難しかった」「失語症の方のもどかしさが伝わってきた」などの感想が出された。
 言語聴覚士の資格取得を目指す杉山知穂さん(34)=千住中居町在住=は、「地域、家族、病院、福祉機関の繋がりを強く感じる。勉強になった」と話した。
 渕脇代表は「街で困っている人を見た時に、もしかしたら高次脳じゃないか、と意識してもらうだけで違う」と理解の大切さを強調。当事者の訓練について、「できることを積み重ねて、次のステップにつなげていければ」。来年も研修を続けていきたいとしている。

写真/参加者1人1人が修了証書を受け取った=ピア・さくらで