足立朝日

その一球に全てを懸けて 区内の出場8高校 全チームを紹介します

掲載:2013年7月5日号
第95回全国高等学校野球選手権大会東東京大会

 さあ、夢の甲子園目指して戦いの始まりだ! 朝日新聞社と東京都高校野球連盟が主催する第95回全国高校野球選手権東京大会が、7月6日(土)から始まる。
 足立区内からは、8校が参加。すでに初戦校、日程、球場も決まった。出場各校の横顔を紹介する(掲載は、過去の成績順。足立学園、足立西、新田以外は、あいうえお順)。



目指せ、足立区甲子園一番乗り
足立学園/千住旭町40‐24、TEL3888・5331【部員】56人(3年20人、2年24人、1年12人) 【部長】井上実 【監督】鈴木龍(35) 【キャプテン】西沢傑(3年、三塁手)
 5月の練習試合で埼玉の強豪、花咲徳栄高校に勝利。着実に力をつけているが、「まだ、一試合一試合波がある」と監督。先輩後輩の仲が良く、まじめなチームで、それゆえに、うまくいかない時に悩んでしまうという不器用さがある。
 エースの木下幸太郎くん(3年)は、1年の夏からベンチ入りし、昨年から1番を背負う。重責の中でも、ポジティブに気持ちを切り換えられる明るさが強みだ。昨年に比べ、球速が早く体力もついた。自分でも前よりキレが出ている感覚があるという。
 目標は、チームでは甲子園出場、個人では「強豪校に勝ちたい」。そのためにも「メンタルの波がないようにしたい」。
 キャプテンの西沢くんは、チームをまとめるのに苦労した時期もあった。チームの結束力が増したのは、5泊6日の冬の合宿を経てから。そして春の大会を経験した今、それがより一層強まった。
 「とにかく明るいチーム。学校も私生活も明るい」と西沢くん。「一人ひとり悩むこともあるけれど、長い期間落ち込むことなく、いい方向に切り換えられ成長できている」
 目標は、先輩たちから引き継いだ、「足立区から甲子園出場一番乗り」。「1回も東京大会で優勝していないので、強豪校と当たっても怯まずにいきたい」

隙を見せずに隙をつく
都立足立西高校/江北5‐7‐1、TEL3898・7020【部員】49人(3年20人、2年13人、1年16人)、マネージャー2人【監督】高木恒平(21)【キャプテン】佐藤佑哉(3年、二塁手)
 昨年は、3回戦で足立学園に5回までリードしながら逆転負けと悔しい結果となった。足立西ナインの前に常に立ちはだかる私立校の壁。しかし今年は「隙を見せずに隙をつく野球」で頂点を目指す。チームは飛び抜けたスター選手がいない分、全員が一丸となり試合に挑む。「常に挑戦者の気持ちを忘れず、守って勝ちたい」と高木監督。佐藤主将は「強豪校が相手でも、自分たちの野球で勝ちたい」と意気込む。
 注目は本格右腕の小畑秀平くん(2年、投手)と長距離打者の矢作大地くん(3年、一塁手・外野手)。

ぶつかって一つに
都立足立新田高校/新田2‐10‐16、TEL3914・4211【部員】62人(3年19人、2年19人、1年24人)、マネージャー4人【監督】小野将幸(32)【キャプテン】服部匠(3年、中堅手)
 「チームワークが良くて、ケンカもたまにあったけど、それで一つになれた」とキャプテンの服部くん。衝突は本気で勝ちたいからこそ。部活以外でも仲が良く、トレーニングの乗りもいい。
 校舎の改修工事により、使えるグラウンドの面積が少ない中、練習をやりくりしてきた。5年前のキャプテンが、コーチとして土日の練習に参加。心強い先輩の指導に、服部くんが相談することもある。
 「最近、本戦で勝てていないので、追い込めるだけ追い込んで、大会に持っていけたら」と、服部くん。
 サウスポーのエース・加藤圭太くん(3年)は、春の大会前までは20番だったが、その後、頭角を現した。注目したい。

手ごたえは十分
都立青井高校/青井1‐7‐35、TEL3848・2781【部員】14人(3年7人、2年3人、1年4人)、マネージャー6人【監督】上田明(27)【キャプテン】新井龍太(3年、投手)
 昨年度、初の1回戦突破を果たし、しかも3回戦まで進んで周囲を驚かせた。完投型で大量得点を許さないエースでキャプテンの新井くんをチーム全体が盛り上げる。打撃は上向きで、フルスイングして向かっていけば、点が取れそう。
 団結力が強く、声を出す明るいチームで、同校4年目の上田監督は「人数も揃ってきた。手ごたえは十分」。

全力プレーで魅せる
都立足立工業高校/西新井4‐30‐1、TEL3899・1196【部員】16人(3年2人、2年9人、1年5人)【監督】松橋剛(41)【キャプテン】入尾真司(3年生、遊撃手)
 2年生を中心に野球センスのある子が多く、松橋監督も「勢いに乗ったらいける」と自信をのぞかせる。今年は巧みなバッティングをする入尾主将を中心に、クリーンナップに豪打が揃っている。
 「普段の行動、練習が試合にも出る」と話す松橋監督。日々のこつこつとした練習を自信と力に、見ている人が感動するような全力プレーで、まずは初戦突破を目指す。

目標は初の初戦突破
都立足立東高校/大谷田2‐3‐5、TEL3620・5991【部員】14人(3年5人、2年7人、1年2人)、マネージャー2人【監督】内田稔(29)【キャプテン】八木圭太(3年生、投手)
 念願の1回戦突破が目標だ。4月から初任校として赴任した内田監督は、都立城東高校時代に、4番サードとして活躍、甲子園出場を果たした経験をもとに「基礎」からチームを鍛えあげている。エースでキャプテンの八木くんは、ボールに力があるが、ややムラがあるのが心配。内田監督が「バットを振る力はすごい」と評価する打撃は、つながればチャンスも。投打ともに「持続力」の保持が課題。

少人数でも勝ちの姿勢を見せたい
荒川商業高校/小台2‐1‐31、TEL3912・9251【部員】15人(3年4人、2年7人、1年4人)、マネージャー1人【監督】石川和也(51) 【キャプテン】皆川凌人(3年、捕手)
 生徒の7割が女子とあって、部員数は少ない。「少人数だけど、歯を食いしばってやってくれている」と監督。3年生がエースの2年・渋田遼くんを支え、チームを引っ張る。
 主将の皆川くんによると、後輩指導の手が足りないのが悩みだが、力のある1年生の入部がチーム全体の刺激になっているという。「2・3年も元気良く、一人ひとり明るく、厳しくする時には厳しく」と、いい関係が育っている。目標は、秋と春の大会のリベンジ。「自分たちでゲームを崩した負け方だった」と悔いが残る。初戦は憧れの神宮第一球場。「まずは1勝。一人ひとりが勝ちに行く姿勢を見せたい」

「借り」を返す戦い
都立淵江高校/東保木間2‐10‐1、TEL3885・6971【部員】14人(3年3人、2年6人、1年
5人)、マネージャー3人【監督】五十嵐一美(42)【キャプテン】渡部恭介(3年生、捕手)

 「打ち勝つ野球」をチームコンセプトに初戦突破を目指す。同校が都大会ベスト16入りをした時のエースだった五十嵐監督が今年から正式に指揮をとっている。注目はエースで4番の杉山恭平くんほかの、3年生トリオ。初戦を突破すれば、2回戦では足立西との足立区対決が実現するかもしれない。同校は、今年3月に足立西にノーヒットノーランをされているので、その借りを返すべくみんなは初戦突破に燃えている。

▼区内各校1回戦=の後は球場名
▼7月7日(日)
10時/足立工業-日出(目黒)=駒沢
14時/足立東-上野学園(台東)=江戸川
▼7月10日(水)
12時半/足立西-目黒(目黒)=神宮第二
14時/足立新田-東(江東)=神宮
▼7月11日(木)
11時/荒川商業-独協(文京)=神宮
14時/淵江-戸山(新宿)=江戸川
▼7月12日(金)
14時/足立学園-芝浦工大高(板橋)=江戸川
▼7月14日(日)
10時/青井-京華商業(文京)=大田スタジアム