足立朝日

●芸大講師が初の試み

掲載:2006年2月20日号
音楽の基礎を足立ジュニア吹奏楽団に
 千住一丁目の千寿小学校跡に今年秋、東京芸術大学音楽学部の音楽環境創造科が移転してくる。同科に所属する講師が、足立ジュニア吹奏楽団に3回のソルフェージュ(音楽の基礎教育)の授業を行うことになった。同大学が小学生にソルフェージュ指導をするのは初の試み。
 昨年度から区と連携し、音楽環境創造科の西岡龍彦教授が「吹奏楽団で演奏経験のある小学生の音楽基礎能力調査」を足立ジュニア吹奏楽団で行ってきた。その結果、基礎が身についてないことがわかった。
 楽団の練習場所・島根小音楽室で、講師の茂木真理子さん、小林弘人さんが指導にあたった。1回目の1月28日は58人の団員のうち48人が出席。リズムを叩きながら音符通りに歌うレッスン、ピアノの音を聞いて音符を書き込む調音など、内容は次第にレベルアップ。「ちょっとだけ難しかった」という子や、途中でわからなくなって戸惑う子も。団長の半村正弘さんは「普段は耳で覚えて練習しているが、楽譜を読まなくちゃいけないということに気付いてくれたのでは」と授業の効果に期待を寄せる。
 茂木さんは「楽譜が読めていないのがはっきりわかった」と必要な学習量の多さに、頭を抱えている様子。西村教授は「全国でも音大が地域社会の役に立つのは珍しいのではないか。3回の授業結果を持ち帰って研究し、区と協働していきたい」と抱負を語った。


茂木先生の指導でソルフェージュを勉強