足立朝日

中曽根城址とまちおこし研究会 中曽根神社の歴史ガイド本完成

掲載:2013年11月5日号
 中曽根神社(本木2‐5‐7)周辺地域の歴史を1冊にまとめたガイド本「わがまち中曽根とその周辺」が完成した。
 「中曽根城址とまちおこし研究会」(瀬田新二代表)が、公益信託あだちまちづくりトラストの助成を受けて、制作、発行したもの。
 妙見菩薩を祀る同神社は、江戸時代から地域の人々の信仰の中心だった。平成8年に戦国時代の城の堀の一部が発掘調査で見つかり、古くから伝説のあった武蔵千葉氏の城址の存在が確認された。
 研究会は中曽根城址とまちの歴史の調査・研究、まちおこしなどを目的に、平成22年に発足。以来、地域住民の家に眠っているお宝の展示会や写真展を開くなど活動してきた。研究会員が直接地域の家を訪問し写真収集と共に昔話を聞いたり、写真展では当時を知る来場者が家族に説明する場面もあるなど、活動を通して近隣住民との絆も深まったという。
 ガイド本は区の学芸員・加増啓二さん、まちづくり公社、荒川ふるさと文化館の学芸員などの助言を受けて制作。会員は高齢者が多く、瀬田会長の入院など編集中の苦労を乗り越えての発行となった。
 中身は歴史解説のほか、昔のまちの様子を伝える貴重な白黒写真が満載。萱葺き屋根の家や商店の前で家族そろって写っているもの、神社の祭りの様子など、当時の生活や風景が微笑ましく伝わってくるものばかり。城址発掘作業、研究会の写真展の様子なども掲載されている。
 本は既に各図書館、住区センター、区内小学校に寄贈済みで、「地域の歴史を地元小学校、住区センターで伝えていきたい」(瀬田会長)としている。

写真/完成したガイド本「わがまち中曽根とその周辺」