足立朝日

58.「皿沼稲荷神社」 皿沼3‐15‐12

掲載:2013年10月5日号
 10種類約210本の桜が植えられている江北北部緑道そばにある「皿沼稲荷神社」。平成8年(1996)に整備・改修が行われたばかりのきれいな神社だ。
 祭神は稲作・穀物に関わりの深い宇迦之御魂神。皿沼地域は古くから水田農業を主とした農家の集落で、五穀豊穣、無病息災、家内安全を願い崇敬されてきた。詳しい創建は定かではないが、境内に残る石造物などから約300年以上前から鎮座していたと考えられている。
 明治の大水害・大正の関東大震災・昭和の太平洋戦争などで損傷が激しくなった神社の修復は、昭和40年代からの悲願だったが、平成8年に行われた。
 しかし、完成までには大変な苦労が。建築に先立ち、神社の土地を調べると、境内敷地は国有地となっていた。神社の用地が皿沼村となっていたため、いつのまにか国有財産として登記されていたのだ。改修・整備するには、土地を買い戻さなければならない。当初の改築計画にそんな予算を組んでいなかったため、用地購入後に再度資金を集め直し、ようやく改築に踏み出した。
 境内には、寛政8年(1796)刻印の末社「稗田神社」もある。
【交通】日暮里・舎人ライナー「舎人公園」から徒歩約7分

写真上/まだ新しい神社
下/庚申塔(右)と末社の稗田神社