足立朝日

vol.136ドラマ・リーディング教室 成井豊

掲載:2013年12月5日号
成井メソッドで最高の舞台を!

 演劇集団キャラメルボックスの脚本家・演出家である成井豊が、シアター1010で4年前から実施している「ドラマ・リーディング教室」。日本の名作文学を教材として、成井が発声・発音・アクセント・腹式呼吸・滑舌といった演技の基礎から、役作り・感情表現までの全てを惜しみなく受講者に伝授している。今年も1回2時間・全7回の成井メソッドによるパワフルなレッスンを経て、受講者が観客の前でスポットライトを浴びる。
 作品は新美南吉の『おじいさんのランプ』と『牛をつないだ椿の木』。前者は、「時代の流れに沿ったおじいさんの生き方と心意気」、後者は「人が人を想い、人のために尽くすことの意味」が、素朴な文章の中から溢れ出る秀作。受講者は16歳から60代の20人で、誰もが熱いオーラを発散。成井によると「年々受講者の演技力が高くなっている。このドラマ・リーディング教室も5回目を迎えて、過去最高のレベルに達している」。それを可能にしているのは成井らによる指導であるが、そもそも成井パワーの源は何か!?
 早稲田大学卒業後、演劇を続けながら教育困難校の教員として奉職した20代の葛藤。教員を辞め、キャラメルボックスが拡大し始めた30代、作・演出に専念するうちに体験した病気……特にこの30代は、成井にとって失われた10年間であったという。それを埋めるがごとく、40代に入り「年間読書300冊、映画鑑賞150本」という目標を立ててから3年後に実現。以来9年間、自身のブログに感想を書き続けている。その中に時々お目見えする今回の「ドラマ・リーディング教室」。「参加者は皆、アマチュア。でも、たった7回のレッスンでこんなに面白いものが創れることに驚かれるのでは。自分もやりたくなってしまうと思うので、何かやりたいけれど見つからないという方もぜひご覧を!」と成井。
【上演日時】12月22日(日)午後2時開演。【場所】シアター1010ミニシアター(北千住マルイ10階・稽古場1)。【料金】無料。要予約。【予約方法】シアター1010チケットセンターにて予約。TEL5244・1011。未就学児はご遠慮を。
 なお、12月5日(木)~25日(水)には、サンシャイン劇場でキャラメルボックスが『ウルトラマリンブルー・クリスマス』を上演。チケットは同劇団ホームページから。