足立朝日

障害者を優しく見守る地域に 『むかしMattoの町があった』上映会 ―癒しとアート―in北千住 1月25日(土)

掲載:2014年1月5日号
 高齢者や障害のある人を優しく見守る地域を創りたい――そんな同じ思いを共有する人たちの手によって、ある映画の上映会が今月、帝京科学大学で開かれる。
 『むかしMattoの町があった』。イタリアの精神保健改革の実話を描いた映画だ。現在、イタリアでは精神病院を廃止し、地域で在宅の患者をサポートしている。改革の立役者、精神医師バザーリアが、1950年代のイタリアのトリエステの町で紆余曲折を経て、精神科病院と地域の境界を取り払うことに成功する様子を描いている。
 映画会を企画したのは、帝京科学大学看護学科で教える武政奈保子教授、村上満子准教授、野田義和助教。精神障害者団体「足立こころの友こむにた」(板倉久代表)と社会福祉法人「あしなみ」が共催する。
 「日本の精神科病院の入院数は先進国で最多。人権阻害と見られて、国際的に問題視されている。今は長期入院は必要ない」と武政教授。看護士としての病院勤務の経験から、患者の外での受け皿がないなどの問題を実感したという。
 精神障害は今や誰にでも起こりうる病気といえる。病院がなくても地域の中で暮らせるためには、地域の理解が不可欠、との思いが、今回の企画の原動力だ。
 当日は映画上映だけでなく、東京足立病院(保木間)で造形教室を主宰する安彦講平氏、ジャーナリスト大熊一夫氏の講演も行われる。
【日時】1月25日(土)午前10時15分~午後4時半
【場所】帝京科学大学3号館(千住元町33‐1、北千住駅西口から東武バス「千住桜木」下車徒歩1分)
【内容】午前9時45分開場、10時20分~「和音」演奏、10時35分~映画1部上映、12時11分~休憩、1時~講演「癒しとアート」(安彦講平氏)、1時半~映画2部上映、3時半~映画説明・講演(大熊一夫氏)
【料金】入場無料、資料代1000円
【申込み方法】1月17日(金)までにメールか丙で(先着200人)
【申込み・問合せ】TEL&FAX6910・3504実行委
員会、Eメール

写真/主催とスタッフら有志=帝京科学大学で