足立朝日

都立の星 足立新田高校野球部出身 秋吉亮投手 ヤクルト入団決定

掲載:2014年2月5日号
 都立足立新田高校(雨森義勝校長)野球部出身の秋吉亮投手(24)が、ドラフト会議で東京ヤクルト球団から3位指名を受け、4月から入団が決まった。都立高校からのプロ入りは快挙だ。

◆新田高校ベスト4のエース

 2006年夏、第88回全国高校野球選手権大会の東東京大会で、新田高校野球部は創部以来最高のベスト4に進出した。
 その時のエースが、当時3年生の秋吉投手だ。サイドから投げ込むキレのいいスライダーと直球で、日大一、安田学園、青山学院と、3試合連続完封。惜しくも準決勝で優勝した帝京に敗れた。秋吉投手は、「最後の大会で結果が出てプロを目指した」と振り返る。悔しさも原動力になった。
 扇出身。小学1年から中学まで地元の少年野球チーム・ジュニアヤンガースで活躍。捕手の秦智博さんとは高校でもバッテリーを組み、共に甲子園を目指した。
 高校では1年の夏からベンチ入り。畠中陽一監督のアドバイスでサイドスローに転向した。「サイドにしていなかったら、ここまで来れなかった」。付ききりで指導してくれた監督からはドラフト後、すぐに祝福の電話があったそうだ。

◆大学から社会人野球へ
 高校卒業後は、千葉リーグ・中央学院大に進学。「自分が投げてチームを強くしたい」との思いは、4季ぶりのV達成の形で結実。MVPなど5冠を獲得する活躍でドラフト候補に挙がったが、「自分の力ではまだ無理だな、という気持ちだった。社会人に行ってからでも遅くないと、歳を取って自分で判断できるようになった」。
 2011年、パナソニックに入社。2年目にBFAアジア選手権に日本代表として出場し、優秀投手賞を受賞。3年目には王者ENEOSの3連覇を見事阻止した。

◆ヤクルトの背番号14
 抜群のキレのあるストレートはMAX146㎞。2種類のチェンジアップを操る即戦力として、球団の期待がかかる。2月のキャンプから参加する。
 「プロは甘くない。意識を高く持ち、開幕1軍から入ってチームに貢献したい。怪我をしないで1年間投げきるのを目標に」と、抱負を語る秋吉投手。「2年連続、ヤクルトから新人王が出るようにしたい」
 母校野球部の現エースは、弟の飛呂くん(2年)。「新田から初の野球選手が出たので、次は初の甲子園。自分たちの時からずっとそうだった雑草魂で、ぜひ頑張って欲しい」。後輩たちにエールを送る。

写真上/母校の支援会の祝賀会に出席した秋吉選手=1月5日、新田町会会館で
下/06年夏の東東京大会で投げるエース秋吉投手