足立朝日

Vol.138『ミュージカル 何処へ行く』松原 剛志

掲載:2014年2月5日号
実力者揃いの大スケール舞台

 ウルトラマンシリーズ他、数々のアニメ主題歌・挿入歌でファンの心をつかんできた松原剛志が、ミュージカルの世界でもその歌唱力を炸裂させている。
 今回は、日本初演の『ミュージカル 何処へ行く』(原作=シェンキェヴィッチ『クオ・ヴァディス』、脚本・作詞・演出=ハマタカトオル、作曲・編曲・音楽監督=tac)で、マルクス・ウィニキウスを主演。ローマの果敢な軍団将校を演じる思いを、松原は熱く語る。
 「熱血漢ながらも崇高な魂を感じさせる素直さ、若さゆえの暴走と葛藤……。僕も若い頃、強い思いと相応の努力さえあれば掴めないものはないと信じていた時期がありました。でも、すぐに大きな壁にぶちあたった。自分の思いのままに掴めなかったもの、それは当時好きになった女性の心でした。強く真っ直ぐな思いは痛手となり、自分に跳ね返ってくる。憔悴しきった時にふと、『あのひとは神だ』という答えに行きついた瞬間があったのですが、小説のウィニキウスも同じ状況で全く同じことを言っているのです。ここに今回の役との確信的なシンクロを感じましたね。役作りとしては、小説や映画はもちろん、時代背景や習慣を学びつつ、将校として説得力のある身体作りのためジムでトレーニングをしています」
 共演は、類を見ない高いレベルのキャスト揃い。「宝田明さんとは、ミュージカル『タイタニック』で共演させて頂いた縁で、ミュージカル『赤ひげ』では師弟役に。その時に頂いた目から鱗のアドバイスを、今でも心がけています。岸田敏志さんは、大ヒットミージカル『ミス・サイゴン』初演の主役クリス。憧れの俳優さんとして何度もCDを聴いてお手本にして勉強してきました。彩乃かなみさんを初めて拝見したのは、丁度、宝塚退団公演の『ME AND MY GIRL』。今回はウィニキウスが愛するリギアを演じられます。世界を大きく変える起点となった時代の群像劇を、圧巻のコーラスでお届けします。ぜひご観劇ください!」と松原。
 【日時】3月20日(木)~25日(火)13時半と18時半。詳細はシアター1010ホームページ参照【場所】シアター1010【料金】S席8千円、S席平日特別料金7500円、A席5千円、フレンズ会員10%引【チケット】TEL5244・1011。