足立朝日

足立成和信金が電大との協定で補助金 中小企業の産学連携を後押し

掲載:2014年3月5日号
 足立成和信用金庫(髙杉浩明理事長)と東京電機大学(古田勝久学長)による産学連携補助金支給第1号の贈呈が決まり、2月4日(火)、同大千住キャンパスで贈呈式が行われた。
 昨年2月、両者は「産学連携に関する協定」を締結。同金庫の取引先が同大と共同で研究開発を行う場合、取引先に共同研究費の一部を補助する制度だ。また、電大が研究目的や教材使用のための試作品を同金庫の取引先に依頼した場合は、電大が取引先に支払う額の2分の1(1件10万円を限度、年間10回まで)を大学に寄付するもの。
 これまで6件の申請があったが内容のマッチングが難しく、今回晴れて支給第1号となったのが、入谷8‐1‐17にある東京電源㈱(夏目孝之代表取締役)。無停電電源(非常用の電源)の設計・製造・販売業務で、震災後、注目されている分野だ。
 停電時にも使える電源の利便性をさらに深め広げる製品の開発を進めているが、膨大な時間とコストがかかることから、1~2年前から技術的な指導を受けている同大に共同研究開発を申請。工学部電気電子工学科教授の枡川重男博士とのマッチングが決定した。
 夏目社長は「助成金をいただいた責任感を励みに成功させていきたい」。枡川博士は「初めての経験なので学生の勉強にもなるし、社会の役に立てれば。大学の研究室で作れないものもあるので」と相互の利点を語った。
 髙杉理事長は、「電大には下町のものづくりに関心を持って協力してもらって有難い。ものづくりのインフラが出来上がった」と喜ぶ。
 足立区には、区内中小企業の産学連携を応援する補助金もあり、企業と大学の交流会や勉強会なども活発に行われている。

写真/左から枡川教授、夏目社長、髙杉理事長、中村産業政策課長=電機大学で