足立朝日

元シアター1010芸術監督 世界の朝倉摂逝く

掲載:2014年4月5日号
 国内外にその名を轟かせた舞台美術家・画家の朝倉摂さん(文化功労者)が、3月27日午後2時12分、くも膜下出血で死去した。享年91歳。通夜は30日、告別式は31日、青山葬儀所にて無宗教形式で執り行われた。喪主は文学座俳優の富沢亜古さん(長女)が務めた。
 朝倉さんは、シアター1010創設時に劇場建築のアドバイスを行うと共に、同劇場の芸術監督も務めた。開館記念公演として『楡の木陰の欲望』(作=ユージン・オニール、演出=ロバート・アラン・アッカーマン、主演=寺島しのぶ)、『ガス燈』(作=パトリック・ハミルトン、演出=西川信廣、主演=藤真利子)など数々の作品で舞台美術を担当。それらの世界観を独創的に表現した。
 高齢にも関わらず、自宅から同劇場まで千代田線を利用して通い、「足立区は便利。千住の街はオモチャ箱のようにワクワクする」と、劇場と足立区を愛した。

写真/故・朝倉摂さん