足立朝日

61.「山王神社」保木間4‐28‐10

掲載:2014年4月5日号
 保木間4丁目にある「山王神社」は、小さな神社であるが、地域信仰の厚さを感じさせる神社だ。祭神は、大己貴命と大山咋命。
 もともと、現在の場所には稲荷社があり、お産の神様として信仰を集めていた。そのため「産王さま」と呼ばれていたのが「三王さま」「山王さま」へと文字も変わってきた。明治6年(1873)、神社は一村一社という方針になり同社を西保木間の氷川神社へ合祀した。ところが、それ以降村人たちに不慮の災害が相次ぎ、村中に不安が広まった。これは、同社の御祭神への敬いが失われたためだと、明治16年(1883)に神社を元に戻した。それ以降、村人たちの不安もなくなった。
 境内には、文化3年(1806)奉納の手洗い鉢や、足立区の保存樹木に指定されている高さ約14mのイチョウ、入口右手には力石が並んでいる。力石には、それぞれ「四拾五貫目※約168・75㎏」や「四拾六貫目※172・5㎏」など重量と奉納者名が刻まれており、村の力自慢がその力を競っていた様子がうかがわれる。
 また、神社の前の道路が通称「山王通り」、同社の近くには「山王掘公園(保木間4‐23‐1)」があり、山王の名前が地域に根付いている。
【交通】「竹ノ塚駅東口」からバス「綾瀬駅」行きほかで「保木間四丁目」下車、徒歩約4分

写真上/入口の大鳥居は昭和57年奉納
下/重そうな力石が並ぶ