足立朝日

Vol.141喜劇「しあわせのコンドル食堂」小松政夫

掲載:2014年5月5日号
小松政夫一座旗揚げ公演

 世の中、どれも似たりよったりのバラエティ番組のオンパレード。心から笑える喜劇には、もうお目にかかれないと諦めていたところ、救世主が出現! 「小松政夫」と聞いて、大拍手をする読者も多いことだろう。
 「目立たず隠れずそおーっと芝居をしようと思っていたら、木の実ナナ、横内正、石倉三郎、おりも政夫……大舞台に立つそうそうたるメンバーが揃ってくれた。本当にうれしいけれど責任が重い」。日本を代表する喜劇人、小松が、72歳にして初の旗揚げ公演を行う。
 演目は『しあわせのコンドル食堂』。うれしいことに、舞台は北千住の洋食レストラン。真面目一徹な頑固シェフの近藤(石倉)と、超ルーズなマジシャンのジャン・ピエール小松原(小松)。相反する二人だが、小松原の娘・知里子(相田翔子)は、近藤の息子・一郎(住田隆)の妻という関係。二人を仲直りさせたいと、近藤の妻・春子(木の実)が一計を講じるが、近藤の弟子・陳(横内正)と、小松原の弟子・立花(馬場良馬)が大喧嘩を……。
 清水よし子や、おりもが町内会の人々を演じ、まるで実際の北千住での出来事のような錯覚を覚える粋な喜劇だ。
 小松はかつて、日本を代表する自動車メーカーに勤務。当時、大卒の初任給が1万円の時代に、12万円を稼ぐトップ・セールスマンであったが、小松の本当の夢はコメディアン。新聞で「植木等の付き人募集」の広告を見た時に、居てもたってもいられなくなって応募。その情熱と植木の眼力が相まって、小松は数百倍の難関を潜り抜けて念願の付き人に。月給7千円の生活をスタートさせたが、敬愛する植木の愛情と信頼を一身に受けて、小松は持ち前のセンスを最大限に開花。コメディアンとしてデビューを果たして以来、人々に質の高い笑いを贈り続けている。
 「小さいころから故郷の博多祇園山笠や、露天商の口上に慣れ親しんだことが僕の芸能の原点。皆さんが喜んでくださるなら、『電線音頭』でも『しらけ鳥』でも何でもやりたい。老若男女が心から楽しめる舞台にします。ぜひご覧ください」。小松の思いは深い。
【日時】6月11日(水)18時、12日(木)13日(金)13時、14日(土)13時・17時、15日(日)13時【料金】6500円、足立区民・フレンズ割引有【チケット】TEL5244・1011。