足立朝日

63.「本木胡録神社」 本木南町4‐3

掲載:2014年6月5日号
 荒川河川敷に近い本木南の住宅街に「本木胡録神社」がある。ここは、境内にベンチやスベリ台、ブランコがあり、地域住民の憩いの場になっている神社だ。
 祭神は、淤母陀琉命。寛永2年(1625)に、扇2丁目にある性翁寺を再建したと伝えられる地元の豪族「阿出川対馬守貞次」の三男が、この地に分家した際に、邸内に守護神として第六天を祀ったことが始まり。
 今は胡録神社と呼ばれている同社だが、かつては第六天社と呼ばれていた。第六天社は、関東地方に多くある神社だが、明治初年の宗教政策で、旧小菅県の範囲(足立区・葛飾区・江戸川区・埼玉県・千葉県の一部)のみ胡録神社と社名を改められた。なぜ、この地域だけ改名させられたのかは不明。また胡録の由緒は、「大六」→「小六」→「胡録」と変わったというのが一説である。
 社名は変わったが、昭和30年代頃までは地元では「第六天」と呼んでいた。境内にある狛犬にも「大六天胡録神社」と刻まれているほか、近くに「大六天湯」(本木南11-14)という銭湯があり、以前までは「大六天通り」という商店街もあった。「第六天」という名が地域に根付いていたことが分かる。
 境内の隅には、屋根付きの三基の石造物があり、その内のひとつが足立区の有形民俗文化財に登録されている。
【交通】「北千住駅」から、はるかぜ「鹿浜五丁目団地」もしくは「堀之内・椿循環」で「いずみ記念病院入口」下車、徒歩約5分

写真上/憩いの神社
下/中央が文化財の山王二十一仏庚申塔