足立朝日

第96回 全国高等学校 野球選手権大会 東東京大会

掲載:2014年7月5日号
 さあ、夢の甲子園目指して「暑い夏」の始まりだ!! 朝日新聞社と東京都高校野球連盟が主催する第96回全国高校野球選手権東京大会が、本日7月5日(土)から始まる。足立区内からは、8校が参加。初戦校、日程、球場も決まった。出場各校の横顔を紹介する(掲載は、春の大会の成績順)。


自校記録のベスト8超えを目指す
◆都立足立新田高校/新田2‐10‐16、TEL3914・4211【部員】78人(3年19人、2年23人、1年32人)、マネージャー4人【監督】小野将幸(32)【キャプテン】宮崎聖也(3年、捕手)

 東東京大会ベスト8の実績を持つ足立新田。今年の春季大会でベスト16になり、夏の東東京大会では第5シードを得た。
 秋春の大会はいずれもロースコアのゲーム展開。小野監督は「最少失点でギリギリ勝つ試合がうまく出来た。守れるチームに成長した」。上位打線を打てる選手も揃ってきたという。
 主将の宮崎くん(4番)は、真面目でしっかりとチームをまとめる。「打ち勝つチームではなく、少ない点数で守り勝つ。自分たちの野球のよさを出して、一試合一試合、悔いの残らないよう本気でやっていきたい」。長打力のある4番としては「チャンスでホームランとか1本打てるような、次につなげるようなバッターになりたい」と話す。
 エースは秋吉飛呂くん(3年)。目立った球速ではないが、球種の多さとコントロールで打者を抑えていく。大会では制球が不安定になりがちなのが課題。「ピッチングを投げ込んで、指先の感覚を体に染みこませていくしかない」と秋吉くん。打つのも好きで、小学時代は4番捕手。中学生で左打ちを始め、現在は両打ち打者。
 兄は在学中に同校をベスト8に導き、今年、実業団からヤクルトに入団した秋吉亮選手。「兄もベスト4を目指していた。行けるところまで行って、都立ではなかなかない甲子園に行きたい」。将来の夢は兄弟そろってのプロ選手だ。
 甲子園に都立の星として輝く日を目指す。

ベスト8からが本当の勝負
都立足立西高校/江北5‐7‐1TEL3898・7020【部員】36人(3年12人、2年9人、1年15人)、マネージャー1人【監督】山崎大輔(28)【キャプテン】小畑秀平(3年、投手)

 チームの目標である甲子園出場に向け日々、猛練習をしている足立西ナイン。昨年は3回戦で淵江に9対0とコールドするも、4回戦で青山学院に4対7で負けて悔し泣きした。今回は組み合わせの結果、勝ち進むと3回戦で第4シードの修徳と当たる。昨年秋の大会では、修徳に勝った自信もある。攻撃も守備も攻めるプレーで上を目指す。「ベスト8が初戦という気持ちで挑む」と山崎監督。小畑主将は「チャレンジャーの気持ちを忘れず、積極的なプレーをしたい」と話す。注目は主将でエースで4番の小畑秀平くん(3年、投手)と副キャプテンの佐藤廉くん(3年、三塁手)。

団結力で力を発揮
足立学園/千住旭町40‐24、TEL3888・5331【部員】55人(3年23人、2年9人、1年23人)【部長】井上実【監督】鈴木龍(36)【キャプテン】塚崎智彦(3年、捕手)

 主将・塚崎くん(3番打者)を中心に、非常に仲のよいチームだ。春季大会は修学旅行をキャンセルして出場するなど、一丸となって戦ってきた。
 力はあるが、波があるのが課題。塚崎主将は「まとまった時は一気にパワーが出せる。まずは1回戦勝って、去年からの目標でもあるシード校に勝つ」。投手は4人、全員足立区出身。それぞれに持ち味があり、監督がコンディションや対戦相手を見て先発を決める。その中心となるのが、三塁手も務める片倉翔太くん(4番打者・3年)。花西小、渕江中(足立ベルモント)出身で、父も同校野球部出身。「中学生の時の最後の試合は悔いが残った。今回は悔いの残らない試合をしたい」と話す。

打ち勝つ野球
都立淵江高校/東保木間2‐10‐1、TEL3885・6971【部員】15人(3年6人、2年5人、1年4人)、マネージャー3人【監督】五十嵐一美(43)【キャプテン】飯野快(3年、投手)

 今年も「打ち勝つ野球」をチームコンセプトに目標はベスト8。昨年は初戦で戸山に10対1で勝つも、次の試合で足立西に0対9と1点もあげられずコールド負けを喫した。
 とにかく1点でも奪う攻撃的な野球で上位を目指す。攻撃的なチームの特徴として、1発を打てる選手が何人もいるが、特に注目は4番でパワーヒッターの當銘拓摩くん(3年、一塁手)。

まずは初戦突破
都立足立工業高校/西新井4‐30‐1、TEL3899・1196【部員】16人(3年7人、2年3人、1年6人)【監督】松橋剛(42)【キャプテン】吉田剛士(3年、投手)

 野球センスが抜群の子が多く、「リラックスして本来の力を出せば勝てる」と松橋監督。昨年は、緊張で本来の力が出せずに初戦の日出に5対13で悔しい結果となった。今年こそは悲願の初戦突破を目指す。
 注目は主将で抑えのエースの吉田剛士くん。波に乗った大量得点で吉田くんが抑えるのが理想の試合。「最後まで集中して、ミスを少なくして頑張ります」と吉田主将。

目標は初戦突破
都立青井高校/青井1‐7‐35、TEL3848・2781【部員】19人(3年3人、2年4人、1年12人)、マネージャー4人【監督】新妻茂樹(25)【キャプテン】舩田将光(3年、捕手)

 一昨年、昨年と連続1回戦突破を果たした勢いを今年も持続させたいところ。だが、2、3年生合わせて7人しかおらず、「なかなか厳しい」と今年から監督になった新妻監督。「いかに1年生を2、3年生と融合させて戦うかです」と語る。エースの西川利伸(3年)は若干スタミナの心配はあるものの、総合的にまとまっている。蒲原中出身で投手も出来る足の早いキャプテン・舩田の打撃と活躍がカギとなりそう。

危機乗り越え力を
荒川商業高校/小台2‐1‐31、TEL3912・9251【部員】18人(3年7人、2年5人、1年6人)、マネージャー2人【監督】石川和也(52)【キャプテン】磯野智志(3年、遊撃手)

 春の大会前、エース4番の負傷というアクシデントに見舞われた危機感が、チームの成長につながった。「人数は少ないけど一人ひとりがお互い切磋琢磨している。笑顔を忘れず、感謝を忘れずに、ねばった試合をしていけたら」と主将の磯野くん(4番)。投手は2枚。現エースの渋田遼くん(8番)は「点を取らせないで、味方が打ってくれて無失点で勝ちたい」。指を骨折し、厳しい下半身トレーニングを乗り越えた藤田基希くんは、「コントロールがまとまるようになった」と手応えも。
 監督によると秘密兵器もいるとか。4回戦突破で記録更新を目指す。

4校合同チームで試練の挑戦
都立足立東高校/大谷田2‐3‐5、TEL3620・5991【部員】7人(3年3人、2年2人、1年2人)【監督】内田稔(30)【キャプテン】渡辺光璃(2年、捕手&投手)

 組み合わせ発表の新聞に「足立東」の名前がない。父母やOBは焦ったが、「足桐京白三」という聞きなれない名前が今期の足立東高が加わる合同チームの名前だ。部員が7人となり、ずっと練習試合も出来なかった。
 内田監督の知人がいる部員6人の都立桐ヶ丘高(北区)に、同じ北区の私立京北高と京北白山高(部員各2人)、それに島の三宅高(同6人)も加わって、史上初の4校合同チームが出来た。「試合が出来ることが喜び。合同の良さが出ればいい」と内田監督は頬を紅潮させた。