足立朝日

夜間中学のドキュメンタリー映画 「こんばんは」上映会&見城慶和氏講演会 人を育む学びの場と未来の地域づくりを考える

掲載:2014年9月5日号
 夜間中学のドキュメンタリー映画「こんばんは」の上映会と講演会が、9月28日(日)に開かれる。2014年度ボランティア・市民活動支援総合基金(ゆめ応援ファンド)助成事業。
 映画の舞台は墨田区の夜間中学。山田洋次監督の映画「学校」のモデルの一人である見城慶和教諭らのもとで、国籍や年齢の違う様々な生徒たちが、お互いや教師との温かい人間関係を築きながら、生きるために真摯に学ぶ姿を映し出している。
 上映会&講演会を主催するのは、心の病を持つ人たちで作る「足立心の友こむにた」(李光民代表)と、不登校の子どもと親の会「ほっとカフェ虹」(難波規子代表)。様々な支援団体による「こども〝ど真ん中〟プロジェクト」が共催する。
 実行委員長の難波さん(こむにた事務局・虹の代表兼任)が映画を見て、多くの人に伝えたいと思ったのが企画のきっかけという。公立の夜間中学は都内には8校あり、うち一つは足立区の第四中学校(梅島)だが、その存在と実態はあまり知られていない。
 映画の中には日本語を話せないために職場で傷つき日本語を学ぶ生徒や、不登校で昼間の学校に行けなくなった生徒がいる。夜間中学は、受験のためでなく、机上の勉強だけでなく、人生にとっての「学び」の大切さが、そして本来あるべき「学びの場」の姿が、しみじみと伝わってくる。
 「助け合ったり、教えてもらったり、あたたかい現場。少人数だから、生徒に合わせて一人ひとりのために、先生とみんなで作り上げている。地域の方にも見ていただきたい」と難波さん。こむにたの飯倉久副代表は、「自分の時代には中卒で就職、高校は夜間でという友人が多かった。映画では高齢者が若い世代に仕事のあり方を教え、高齢者は若い世代から刺激をもらい、お互いに社会的」。
 プロジェクトに参加している音楽ユニット「和音」のShunさんは、「人を育てる大切なことがいっぱい入っている。学校の先生に見て欲しい」と話す。
 主催者たちの思いは同じだ。学校は競い戦う場所ではなく、育む場所であるはず。「地域のみなさんと鑑賞し、未来に託せる地域づくりをしたい」。「教育は序列じゃない」と唱える、見城氏の講演もある。
《「こんばんは」上映会&講演会》
【日時】9月28日(日)①午前10時半~上映 ②午後2時~上映、3時50分~見城慶和先生講演会(講演はどの回のチケットでも参加可) ③午後5時半~上映、6時~交流会(見城氏も参加) ※各回に「和音」演奏、夜間中学教員の演奏もある
【場所】竹の塚センター4階ホール
【料金】一般1000円、障害者・介助者500円、高校生以下無料
【問合せ】TEL090・7270・3654難波、MAIL