足立朝日

千住芸術村に 陶芸教室オープン 千住緑町の古民家に アトリエ

掲載:2014年9月5日号
 NPO法人千住芸術村(加賀山耕一代表)の拠点の一つで、8月2日(土)、陶芸教室「ORGANON」がオープンした。
 同NPOは、空き店舗や古民家などを借り上げて再生し、若い芸術家たちにアトリエとして利用してもらうことで、千住を芸術の町にしようと活動。昨年オープンした千住旭町の拠点を含め、これまでに3カ所作ってきた。
 陶芸教室ができたのは、千住緑町3‐1‐2にある2つ目の拠点。2009年に築52年の精肉店を区の助成金を受けて改装し、東京藝大生4人のアトリエ「スズロハコ」として出発した建物だ。
 今回、教室を主宰する陶芸作家の瀬川辰馬さん(25)が、自身のアトリエと住居を兼ねて新たに自ら改装した。1階の道路側の壁は半透明の素材を使い、自然光でも十分明るい作りになっている。
 水と粘土を使う陶芸作業では、床がコンクリートの打ちっぱなしであることと、排水フィルターの工事が必要だが、賃貸では難しい。「都内で陶芸ができる環境はない。ここは完璧に近い」と瀬川さん。「陶芸を使って面白いことができるか」という試みによる教室で、「渋いイメージではなく作りたいものを作る。自由であるべき」。ボタンやアクセサリーを作りたいというお客さんもいるそうだ。
 横浜から来たという30歳の女性はろくろと1時間半格闘。「汗だくです。でも楽しい。花器をたくさん作りたい。すごい燃えます」。堀切在住の25歳の女性の体験のきっかけは「メーカー勤務で、直接自分の手を動かして作ることがないので、ものづくりを忘れてしまいそうだったので」。粘土を手でこねて四角い花瓶に挑戦している女性もいた。
 瀬川さんは「平日の時間感覚とは違う、土を触っているゆったりとした時間を伝えていきたい」と話す。
 陶芸体験教室は土日のみで2500円~。【問合せ】TEL050・3556・0696、MAILHP

写真/陶芸作家・瀬川さん(中央)が参加者に丁寧にアドバイス=ORGANON(千住緑町)で