足立朝日

「太陽熱ってすごい!」 子どもたちが太陽熱温水器で実験 NPO法人エコロジー夢企画

掲載:2014年9月5日号
 花畑地域学習センターで8月7日(木)、小学生を対象に講習会「太陽熱温水器を作ろう」が行われた(同センター主催)。 講師は地球温暖化など環境問題に取り組んでいる、NPO法人エコロジー夢企画(三井元子代表)。東日本大震災後は被災地に太陽熱温水器の設置・寄贈を勧め、平成25年度地球温暖化防止活動環境大臣賞を受賞した。
 太陽熱温水器は太陽の熱で直接水を温めて風呂などに利用するため、太陽光発電より少ない面積で設置可能で効率が良い。夏では60℃にもなる。
 講習会では、その温水器と同じ仕組みの模型キットを使用。平成25・26年度足立区環境基金補助により改良、製作したもので、厚紙やストローなど身近な材料を使う。
 参加した小学1年~6年の計13人の子どもたちに、まずは三井代表が地球温暖化やエネルギーの問題をわかりやすく講義。「地球に降り注ぐ太陽光を全てエネルギーに変えたら、世界の消費エネルギーは1時間で作れる」「家庭のエネルギー消費の半分以上が給湯と暖房」などの話に、みんな真剣に耳を傾けていた。
 その後、同NPOの水越雅子さん、佐藤征雄さんの指導で一人ひとりが温水キットを製作。実際に屋上に設置した。模型キットの水は20分間で28℃から36℃に上昇。子どもたちはそれを測って確かめたり、ソーラークッカーを使って太陽熱だけで作られた焼きイモ(ふかしいも)を試食した。
 埼玉県草加市の新里小6年の渡辺和志くんは、「太陽熱温水器を初めて知って、自分で作って実験してみて、地球環境にいいとわかった」。桜花小の鈴木博慧さん(3年)と姉の博美さん(5年)は、それぞれ「楽しかった」「太陽だけで熱が作れるのを知った。もっと利用できるといい」と感想を話した。
 三井代表は、「世界では自然エネルギー利用は太陽熱が一番多く、太陽熱発電を始めているところもある。みなさんも今日知ったことをおうちの人に話してくださいね」と語りかけ、子どもたちに日本の未来の自然エネルギー活用を託した。

写真上/自分で作った温水器の模型で水の温度を測る子どもたち=花畑地域学習センターで
下/講習会で講義する三井代表