足立朝日

66.「氷川神社」 本木西町15‐6

掲載:2014年9月5日号
 区立第六中学校の東側に、住宅に囲まれた大きな神社がある。本木西町の「氷川神社」は、境内に児童遊園が併設されていて、植物も多く、人はもちろん動物や昆虫など全ての生き物たちにとって大切な場所だ。
 祭神は素盞鳴命。創建については諸説あり、室町時代の享徳3年(1454)に荒川(現在の隅田川)の草むらで光っている古い鏡が発見され、そこにお宮を建ててお祭りした。その後、宝永6年(1709)に水害を避けるため現在地に本殿が再建され今に至る。しかし、別説には本社再建は寛永15年(1638)で、現在地への移転は天明年間(1781~1789)とも伝えられている。
 明治初期の国家神道政策によって、全国の各神社の序列が厳密に定められ、本木村では同社が頂点に置かれ、村全体の鎮守となった。そういう由緒を反映しているのか、他の旧本木村の神社より風格のある造りである。
 同社には神楽殿や6棟の神輿蔵があり、各町会の神輿が収納されている。これらがある場所は、明治に廃寺になるまで神社を管理していた円乗院の跡地と言われている。
 境内にある足立区指定の保存樹は、スダジイが4本とイチョウが1本。現在は、住宅に囲まれているが、昔は荒川放水路まで参道が続き、多くの参拝者で賑わったのではないだろうか。それを知るのは、今やこの保存樹の大木と神社自身のみだ。
【交通】「北千住駅」から、はるかぜ「鹿浜5丁目団地」行きか「堀之内・椿循環」で「足立六中入口」下車、徒歩約5分


写真上/広々とした境内
下/境内に併設された本木西児童遊園