足立朝日

67.「(上沼田)北野神社」 江北3‐18‐22

掲載:2014年10月5日号
 江北3丁目にある「北野神社」は、住宅街の一角に建っている小さな神社だ。93坪の境内に社殿と鳥居のみだが、上沼田村と呼ばれていた頃から地域住民の信仰が厚く、2年に1度の大祭では2基の神輿が渡御する。
 祭神は学問の神様として知られる菅原道真。もとは大地主の屋敷神であった。同社は、地元の人たちからは「上沼田天神さま」や「天神さま」の愛称で呼ばれている。
 創建は文久年間(186
1~1864)と言い伝えられてきたが、文政5年(1822)に記された書物には、その時すでに隣接する薬王院の境内にあったという記載もある。明治になり、新政府によって明治5年(1872)までに薬王院から分離、江北氷川神社の摂社になった。しかし、翌年には摂社でなくなり、それから明治12年(1879年)まで所在不明になる。それでも、上沼田の人々により信仰が保たれ、明治32年(1899)に現在地に移り、今に至っている。
 社殿は何度か改修がされ、地上から約2mの高さの所に建っている。ちなみに、下の部分は倉庫になっている(写真参照)。
 かつて祭礼が行われる日には、現在の町会会館の場所に芝居小屋が建てられ、旅芸人が芝居をしに来るなど大変な賑わいも見せていた。会館が建ち便利になったが、少し寂しい気もする。
【交通】「北千住駅西口」から、はるかぜ「堀之内・椿循環」で「熊の木ポンプ所東」下車、徒歩約2分