足立朝日

足立区小学生 新聞スクラップコンテスト 区内小学校から105点の応募

掲載:2014年11月5日号
 「どのスクラップも力作揃いです」――。審査委員長の加藤敦彦・千寿常東小学校校長は、全体の講評の冒頭でこう語った。今年で4回目を迎えた足立区小学生スクラップコンテストは、10月4日(土)、表彰式が行われ幕を閉じた。夏休みを中心に行われたこのコンテスト、環境問題、動物、宇宙、スポーツなど自分が気になった問題にテーマをしぼって新聞を読み込み、小学生らしいコメントを添えた作品が多く、審査委員の校長、来賓も感心していた。

 区教育委員会、朝日新聞社、足立朝日、朝日小学生新聞などが後援、足立成和信用金庫、アダチン、J:COM足立協賛で行われたスクラップコンテストの表彰式は、千住旭町のあさひホール(ASA旭町内)で行われた。
 式には、9人の入選者と父母が参列、加藤審査委員長、審査委員の篠達司梅島小校長、半田英雄花保小校長、足立区朝日新聞販売店会の各店主、竹内吉晴足立朝日編集長、来賓として、本永裕康足立成和信用金庫常勤理事、青木純㈱スペースネコカンパニー社長らが出席。
 式では、まず主催者を代表して、渡辺伸樹足立区朝日新聞販売店会会長(ASA梅田・五反野所長)が「皆さんが色々調べ上げながら新聞のスクラップを作ったことは、これからも消えることなく、知識として蓄積されていくことでしょう」と挨拶。
 その後、足立区の人気のゆるキャラの一つ、アダチンがドアを開けて入場し手を挙げたりして愛嬌を振りまくと、会場から笑いと拍手が起きた。9人の入賞者には賞状と副賞の図書カードが贈られた。
 続いて来賓の本永足立成和信用金庫常勤理事が「私は最優秀賞をとった武藤さんと同じ栗島小を30年前に出ましたが、当時のスクラップはただ新聞を切り抜いて貼っただけ」と笑わせた後、「さらに色々なことを勉強してください」と子どもたちを激励。最後に、加藤審査委員長が、全体の講評を行った。
▼内容と講評
 最優秀賞に選ばれた武藤さんは、「新聞日本旅行」と題して、夏休み中に新聞に掲載された日本全国の記事を丹念に集め、47都道府県ごとに分類し、自分の感想を入れてまとめた「大作」を作り、審査委員をうならせた。熊本に住む実家のおばあちゃんから熊本日々新聞を送ってもらうという努力も。スクラップした動機は「4年生の時に都道府県の学習をし、日本地図に興味を持った。そして、その県についても知りたいと思った」。
 金賞の山本さんは、テーマが①「世界の中の日本」②「環境と生き物」。「将来は獣医師になって動物園の飼育員になるか新聞記者」と言うだけあって、丹念に記事を拾い、整理。コメントもしっかりしていたのが評価された。
 銀賞の村松くんは、興味のある記事を丹念に拾って、自分の感想を入れた。8月11日の「新聞休刊日」には、「東吾新聞」と題して「新聞」を作り、その中で「夏休みは、スクラップと23区めぐりをしたいと決めた」と決意表明。
 銅賞の菱木さんは、テーマを「東日本大震災から4年目、原発ゼロの夏に」とし「『あの時』を思い出し、それからを考える」として東日本大震災関連の記事を集め、しっかりと感想を書いた。太田真紘さんは1面記事のみを集め、太田真琴さんは「生き物」をテーマに、姉妹揃って全力投球したあとがくっきり。
 「足立朝日賞」の浦沢さんは、「被災者の今を知る」のテーマで、7月24日~8月6日の新聞記事の中から丹念にピックアップ。石巻市の高校生が東京で写真展を開いた記事には「つらい景色を写真に撮るという行動がすばらしい」と感想を述べた。
 「アダチン賞」の小川くんは、「妖怪大事典」のテーマで気を吐き、「J:COM足立賞」の高橋さんは「宇宙」のテーマで、月の記事などを通して宇宙に関する疑問を追求した。
《加藤敦彦審査委員長(千寿常東小校長)の話》
 入賞作品の特徴は、①こだわりをもっていたこと②自分の言葉で語っていたこと③自分以外の人が、読んでみたい、見てみたいと思ったこと――です。武藤さんの作品は、まさに、新聞のスクラップから日本全国への視野の広がりを感じる素晴らしい作品でした。
《篠達司審査委員(梅島小校長)の話》
 初めての審査でしたが、どの作品も甲乙つけ難いほどのレベル。テーマを決めて記事を選び、調べて、自分の意見を入れるという作業は、これからの人生においても大切だと思います。
《半田英雄審査委員(花保小校長)の話》
 私も初めての審査でしたが、レベルの高さにびっくりしました。3年生も自分の感想をきちっと入れて応募してきていることに驚きました。
入賞者(敬称略)
【最優秀賞】武藤暢子(栗島小5年)【金賞】山本萌絵(千寿第八小6年)【銀賞】村松東吾(興本小3年)【銅賞】菱木綾子(千寿第八小6年)、太田真紘(足立小5年)、太田真琴(同)【足立朝日賞】浦沢万理奈(綾瀬小5年)【アダチン賞】小川優三郎(足立小4年)【J:COM足立賞】高橋実莉(島根小6年)

●入賞作品&喜びのコメント
【最優秀賞】武藤暢子さん(栗島小5年)

 ニュースで聞くとよくわからないことも、スクラップして文章にまとめるとよく理解できる。大変だったけど、やって良かったです。
【金賞】山本萌絵さん(千寿第八小6年)
 撮った写真にコメントをつけたり、新聞を作るのが好きなので、評価されて嬉しいです。
【銀賞】村松東吾くん(興本小3年)
 まとめるのが大変でした。そろばんをやっているので、数字に強く、スクラップに生かせた。
【足立朝日賞】浦沢万理奈さん(綾瀬小5年)
 初めてのスクラップで大変だったが、ニュースのことがよくわかって良かったです。新聞は続けて読んでいきたいです。

写真①/審査委員、アダチンらとともに記念写真に納まった入賞者と父母の皆さん=千住旭町のあさひホールで
写真②/加藤審査委員長から表彰を受ける最優秀賞の武藤さん
写真③/武藤さんの力作
写真④/あいさつする本永足立成和信用金庫常勤理事
写真⑤/審査委員の左から半田、加藤、篠の各校長ら