足立朝日

68.「(扇)御嶽神社」 扇1-28-17

掲載:2014年12月5日号
 扇1丁目の寺地小学校そばに「御嶽神社」がある。住宅に挟まれた地にある小さな神社で、拝殿は鉄筋コンクリート造りの倉庫の上に建てられている。
 祭神は国常立命。創建は寛永16年(1639)と伝えられ、吉祥院境内の守護神として祀られたことが始まりと言われている。また、同社には古くから次のような話しも残っている。
 昔このあたりに、傲慢で素行の悪い者がいて、農民たちを苦しめていた。その者は農民が弱いと見ると、どんどんと悪虐ぶりを増していった。しかし、天はこのまま悪人を見過ごしはしなかった。思い余った農民たちは、付近の人たちと一緒になって、悪漢に酒を飲ませ、大穴を掘った場所に追い込み生き埋めにした。この場所に、のちに御嶽神社を祀ったという。この団結力は現代まで受け継がれ続け、同社が守られているのかも知れない。
 境内には、その他に寛政5年(1793)の庚申塔、本木地域の「せり栽培」の実績を記したJA(農協)のプレートも置かれている。
 荒川土手も近く、最近土手にできたパークゴルフ場(7面参照)で身体を動かした後に寄るも良し、また、お正月の初日出を土手で拝んだ後に寄るも良し。ぜひ、お散歩コースのひとつに加えてみては?
【交通】「北千住駅西口」から、はるかぜ「堀之内・椿循環」ほかで「扇大橋下」下車、徒歩約2分

写真上/コンクリート造りの上に建った拝殿が特徴
下/庚申塔(右)と水天宮、水神社