足立朝日

69.「胡録神社」 西新井本町2-32-4

掲載:2015年3月5日号
 日暮里・舎人ライナーの江北駅前にある「胡録神社」。赤色の社殿と鳥居に掛かる注連縄が特徴的で、平成6年(1994)に老朽化のため社殿の新築、境内の整備がされたきれいな神社だ。
 同社の祭神は淤母陀琉命。詳しい創建は不明だが、江戸時代に高野村の鬼門に阿修羅第六天を祀り、村民の安寧と幸福を祈願していたのが始まりと伝えられている。その頃から人々に第六天と呼ばれ親しまれてきた。第六天とは仏教上の神、他化自在天のことで、淤母陀琉命の別名。
 氏子の人たちの信仰の厚さに次の様な話がある。尾久橋通りの建設や日暮里・舎人ライナーの工事などで、何度も移転や区画の変更を求められたが、「この神社はかつての高野村の鬼門に建てられたものだから、この場所この向きに意味がある」と拒否を続け、昔から変わらずこの場所に建ち続けていることができている。
 境内の鳥居に掛かる注連縄は「ジャカザリ」と呼ばれ、ジャカザリのジャは竜やオロチを指している。この飾りがいつ頃から始まったのかは定かではないが、高野村が農地であったことから豊作や雨ごいの願いを込めて作るようになったという。また、始めのころは小さかったが、年々大きくなり今のサイズになった。
【交通】日暮里・舎人ライナー「江北駅」下車すぐ

写真上/江北駅そばの神社
下/鳥居に掛かる注連縄