足立朝日

70.「島氷川神社」 鹿浜2-28-4

掲載:2015年4月5日号
 都市農業公園から歩くこと約5分。鹿浜の獅子舞が行われる神社のひとつ「島氷川神社」がある。
 祭神は素戔嗚尊、淤母陀琉命、市杵島姫命、経津主命、品陀和気命。詳しい創建は不明だが、明暦2年(1656)に起きた洪水の際に、荒川(現在の隅田川)に氷川のお宮が漂着したので、明治以前まで神社近くに建っていた慈眼寺にまつった。その後、元禄4年(1691)に現在地に社殿を造り今に至ると伝えられている。
 社殿が現在地に造られたのと同時に、「輪くぐり」と「人形」の神事も行うようになった。輪くぐりは、旧暦六月晦日の夏の終わりの節目に、来るべき新しい季節に備えて輪をくぐって身を清める行事のこと。こうした行事は全国で見られ、たいていは茅で作られ「茅の輪くぐり」と称されるが、同社ではマコモで作られる。氷川のお宮がマコモの中に流れ着いたという言い伝えに由来している。
 また、同社は境内・境外に多くの摂社・末社を持っていた。現在は、境内に3つの神社を祀っており、鳥居の右手には江北村がレンガ産業の地だったことを伝えるように、煉瓦造りの稲荷社がある。その他、足立区指定の保存樹が3本あるなど、歴史を感じさせる神社だ。
【メモ】これまで獅子舞が行われる4社の内3社=古内神明(12年7月号掲載)、糀屋氷川(13年5月号掲載)、東天神(14年7月号掲載)=を紹介してきた。この3社は足立朝日のHPに掲載されているので、この機会に再度チェックを。
【交通】「西新井駅」からはるかぜ「都市農業公園」行きなどで終点下車、徒歩約5分

写真上/散歩にピッタリ
下/煉瓦製の稲荷社