足立朝日

あの町この店

掲載:2015年4月5日号
渡邊鞄
千住4‐12‐3 TEL3888・3650

和の魅力が生きる手作りの逸品


 落ち着いた色合いの布地に、さりげなく配された和柄。その絶妙な組み合わせが、なんともいえない品を生み出している。気取った礼装用ではなく、普段着に持つことで、おしゃれな装いにしてくれるバッグの逸品だ。
 店主は渡辺憲一さん。父の後を継いで千住龍田町で製作していたが、昨年5月、念願の工房とショールームを兼ねた店舗をオープン。そこで一つひとつ丁寧に手作りしている。
 ドラマなどで使われることもあり、今年1月に公開された映画「アゲイン」では、千住出身の女優・波瑠さんがリュックを使用。映画を見た人から、「こんなバッグを探していた!」と反響も。
 和柄の布にこだわったのは、渡辺さんも好きな着物をなかなか着る機会がないことから、「和にも洋にも合わせられるバッグの方が、着物を着るきっかけになるのでは」との思いから。無地の場合は真田紐をあしらい、和のテイストを表現。裏地の萌黄色はどの色とも相性がよく、パッと目を引く。
 ベースはツイルという生地。一見帆布に似ているが、斜めに入った織りと、しなやかで風合いがあるのが特徴。凝ったデザインながら、軽いのも魅力。底鋲が打ってあるので、下に置けるのもうれしい。他に革製バッグもあり、珍しい国産の鹿革も。「日本の伝統柄の良さを、普段の生活にさりげなく取り入れて味わってもらえれば」と渡辺さん。
 在庫がない場合は注文により製作。和柄生地に思い出の布を入れたオリジナルも可(別料金)。母の日のギフトにいかが。
 営業時間は午前10時~午後7時、日祝は要予約。

写真上/映画に登場したのと同じバッグも。左=八千草薫さん、右=波瑠さんが小道具として使用
中/軽くて使いやすいバッグ(1万6000円~)
下/外から見た工房の様子。気軽に入ってみて



【交通】北千住駅西口下車、徒歩10分